manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

問いの巧拙

みなさん、こんにちは。

 

先日、幹部間で組織について議論した際の出来事です。役員のひとりがたたき台の原案に対し、質問をしています。ですが、聞けば聞くほど、原案に対し、文句を言われているように原案を作った側が受け止めます。険悪な雰囲気が漂い、論が重なっていきません。恥ずかしいことなのですが、このようなことがよく起こってしまいます。

 

まず、指摘の仕方がよくありません。論点を明確にせずに、うまく行かない可能性を指摘します。うまく言語化できていません。そして、指摘を受け取る側も、うまくいかない可能性に対し、うまくいくかもしれないと返します。まさに水掛け論ですね笑

 

ということで指摘をする方は、心配事を言語化しなければなりません。よくよく聞いていると横軸組織の役割と責任と権限の問題を指摘しているようです。ですので、縦軸組織に対し、横軸組織にどのような役割と責任と権限を持たせるのかの素案を描いて欲しいということが要求事項のひとつです。次に、それがきちんとセットできたとして、運用がうまく回る仕組みづくりと、時間の経過により変わっていく各々の役割を明確化することでしょうか。

 

もう少し踏み込んでいうと、この手のことを指摘して考えるように指示を出すことはそれはそれで大切なのですが、マネジメントとしては、それだけでは足りないところがあるようにも思います。欲をいえば、よい「問い」を立てて、組織体制の素案を作った皆さんに上記のポイントを感じ取っていただくことができるとよいでしょう。

 

ただ、実際にはなかなかここまでのことができるかというと難しいですが、幹部人材の育成の観点でいえば、日々のこのような議論の中で、目線を上げていくことが必要です。また、自分たちに足りない視点はなんだろうと考えてもらうことも大切です。そのためにはやはりよい「問い」が大切なように思います。

 

さて、冒頭の話に戻ると、よい「問い」からは程遠く、黙って聞いていると単に批判しているだけに聞こえてしまいます。今回は私が第三者の立場に近かったので、ファシリテーターとして論点を確認して、「役割と責任と権限」と「時間軸」を整理することが必要なのでは、と整理をしましたが、よい「問い」を立てられれば、最初からうまく回ったのかもしれません。

 

そもそも、組織論なんて、正しい解は存在しないと思います。そして、最初の機能定義はどうせうまく回らないのだから、うまく回すための運用、その中で守備範囲を越えて活躍するエース人材がいて、初めてうまく機能していくし、時の経過とともに事業の状況や環境変化に合わせて見直していくようなものでしょう。そもそもどちらが正しいなんてお題の設定ではないことを踏まえておけば、そんな言い合いになんて、ならないのになぁ、と思った次第であります。