manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

人気と構想

みなさん、こんにちは。

 

先日の記事とは逆の話になるのですが、とにかく人がよくて、人気がある。でも、業績や組織変革で結果が出ているかと言うとそうではない。そんな方のお話です。日頃の1on1での傾聴はもちろんのこと、話をじっくり聞いてくれるし、困った時の支援の姿勢もある。部下からは人気があるのですが、結果として、今できることをこなすままで組織は進化しない…。

 

組織のリーダーとして、みなさんの意見を聞いて、メンバーとの関係性を豊かにしていくことはもちろん大切です。ですが、組織はあくまで目的集団です。マネジメントの結果、組織のパフォーマンスが上がってナンボでして、仲がよいだけだと少しもったいない。ですが、実はそういう状態になってしまっている組織が少なくないように思います。

 

これは優しすぎるからとか、よい人だからとかそういう理由ではないと私は思います。「ここに行きたい」と本気で願う、組織や事業の構想目標が無いから、関係性がよくなった後に、メンバーに浸透させていくことがない。その結果、仲がよく、雰囲気のよいチームにはなるが、そこに止まる。いわゆるサークル型の組織となってしまいます。

 

同好会やサークルでは、目指す目的を達成するよりも、同じ趣味を持つ仲間が集い楽しく過ごすことやさが優先されます。もちろん、それを目的とした集団であれば、なんの問題もありません。ですが、企業は達成すべき目標があって中長期的に発展を目指すわけですから「楽しければよい」「楽ができる」だけなのは違います。

 

リーダーになろうという方ですから、こうしたことは頭ではきっとご理解されているのでしょう。ですが、こうしたらうまくいくという構想を持って、心からそれを実現させたいと本気で思い込めている方はそれほど多くはいらっしゃいません。多くの場合、誰かから任命されて組織長やリーダーになるわけですから、最初からしっかりと持てていなくても仕方ない面はあるでしょう。ですが、この構想をしっかりと持とう、もしくは持ちたい本気で思える方でなければ、組織長になった後、大いに苦労をする、むしろ不幸になってしまいます。

 

ところが、昇格面談ではみなさんどこかで言われているよさそうなアイデアを持ってきて、やり切ります、頑張りますと宣誓します。ですが、その裏には迸る熱も無ければ、本気でやりたい気持ちも覚悟もありません。昇格すればもちろん処遇がよくなるわけですので、欲しいのは当然ですが、そういう状態で昇格と成ってしまうのはやはり違うと思います。

 

もう少しいうと「甘くみている」ということでしょう。昇格した後に本気でやろうとしても、うまくいかない。うまくいかないけど、うまくいかせるために、自分のスタイルやコミュニケーションを変化させることができるか。チューニングの繰り返しが必要ですが、これがなかなか精神的にはタフな営みなので、耐えられない。結果、部門長として乗っかっているだけになってしまうわけです。

 

昇格の判断はいつも大いに悩むわけですが、やはりここの軸を振らしてしまうと、個人にも組織にも悪い影響が出てしまいます。温情や好き嫌いで決めることではありませんが、どうしても揺さぶられてしまいますね。人間ですから仕方ありませんね。