manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

新たな風の起こしにくさ

みなさん、こんにちは。

 

ある日、突然、違う部署や別の会社から新しい上司がやってきたら、どのように感じるでしょうか?自分たちのことも仕事のことも何も知らない方がいきなり上司になるのですから、普通であれば今日から仲間とはなりにくいですね。ですが、サラリーマンたるもの、伝統的な日本企業であればあるほど、そんな感情は心の奥底に沈めて、あたかも歓迎しているように振る舞います。が、一方では注意深く観察しているわけです。この新しい上司は信頼できるのか、自分たちが力を尽くすに値する人物なのかどうなのか。

 

新しい上司の難しさは、組織を構成するメンバーからするとマイノリティであるにもかかわらず、ボスになれるかどうかを試されているところに尽きると思います。組織が大切にしていることを見抜いて、それを尊重しつつも、新たな成果を求められます。そのための活動を起こそうにも、信頼の貯金が不足しています。関係性も十分に豊かではありません。まぁ、何もできないのが普通ですね。

 

少し離れた立場から見てみると、こんなに非効率なことはないように思えますが、実はよくある人事です。では、何故こうしたことが起こるのかと言えば、それは今の組織が十分に成果を出している状態ではないからです。経営や株主がその組織のパフォーマンスに納得していない。これを何とかするために、これまでその組織にいなかった人が新たにアサインされるわけですね。

 

話を戻しますと、そういうシチュエーションの中で、新たに着任したリーダーはどうしても象徴的な何かを成したい気持ちが芽生えます。また、論理的にこうあるべきを目指したい気持ちになります。ですが、前任者ができなかった理由があるわけで、人間関係も豊かで、信頼関係もしっかりある人物が「できなかった」理由があるわけです。そこを特定して対策をしていかなければ、面従腹背が横行する組織ではアリバイづくりのための活動が繰り広げられて、結果何も変わらず、むしろ前任者がやっていたよりも状況が悪化してしまいます。多少時間をかけてでも、この「できなかった理由」を特定することが大切です。

 

一方で、前任者が何もやらなかった、問題を解くのはリーダーである自分の仕事ではないと思っていたケースもあります。古いタイプのリーダーですね。このような状態であれば、むしろ活動はやりやすい。いわゆる改革疲れしていない状況ですので、問題解決の手本を示し、組織に広げて、新しく価値観を浸透する諸活動を進めて行けば組織のパフォーマンスは上がっていくでしょう。

 

最後の要素は経営や株主に組織のパフォーマンスが上がったことを示すことです。実際にはコスト削減や生産性向上の効果となりますが、経営や株主のお好みはリアルにどれくらいの財務効果を生み出したかと言うことです。リーダーとして認められることと並行して、財務効果をしっかりアピールしていくことが成功には大切ですね。