manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

推す人と推される人

みなさん、こんにちは。

 

最近、「推し」という言葉が流行っているように感じます。「応援したい」を今風に表現した言葉でしょうか。企業においてもこの「推し」の存在が大切で、今日はそのことについて考えてみたいと思います。

 

まず私のことから。自分で言うのもなんですが、私は普通に優秀だと思っていたのに、なかなか昇格の機会が巡ってきませんでした。当時は全くもって納得できないわけだったのですが、推す立場にいる人が推してくれなかったのだと思います。企業で一定のポジションを任されるには推してくれる人が必要なことに気付くには少し時間がかかってしまったわけです。

 

企業は中長期的に発展していくことが理想的です。幹部が自分の後任として任せたいと思うのは、推したい人だと思います。一方で、自分がすごく上手に役割を果たしていると思っていた際には推したい人はなかなか出てこないのかもしれません。誰かを推すよりも、自分自身がこの役割を担い続けたい。自分を主語に、自分を中心に考えてしまうとこうなってしまうのは自然です。一方で組織を主語に考えるとこれは間違った考えでしょう。人間ですから老いもありますし、我々のような雇われ人は老いの前に期間限定が約束です。そうした際には一定の期間の内に推したい人を見つけ、指導し、その人にバトンをしっかりと渡すこと大切です。

 

では、推す際にどのような人を推したいか。部下に心理的なプレッシャーをかけてコントロールしようとする人を推そうとは思わないでしょう。では仕事ができる優秀な人はどうでしょうか。ある仕事を任せるには彼は成果を出すでしょうが、幹部にするには物足りないかもしれません。逆に仕事ができない人、頭の回転が遅い人も推すには難しいかもしれません。人望があることは大切ですが、事業理解が乏しかったり、既存ビジネスを守ることに軸足を置きすぎている人も難しいですね。

 

人はどうしても自分を過大評価しがちですので、自分よりも優る誰かを認めることが難しかったりもするでしょう。ですが、組織を主語にした場合、最高評価の自分は一旦横に置いて、この人に任せると発展したい方向に会社を導いて成長させてくれそうなのは誰なのか、と言う目線で人を見ていくことになります。今できているかどうかで言えば、そのポジションに就いていないので、それはできていないはずです。上のポジションに就いた際に「できるようになりそう」かどうかを評価するわけです。

 

「できるようになりそうか」の評価軸は、いわゆる頭がよいかどうかは必要条件ではあるでしょうが、十分条件ではありませんね。人間的に大勢の社員を率いてことを成してくれそうか、社員の変革をリードできそうか、厳しい環境下でも逃げ出さずに頑張れるか、真に推したい人を見つけるには、業務や知的にテクニカルに上手であることよりも、人として信頼できるか、人に影響力を発揮できそうか、上のポジションにチャレンジしても大丈夫そうなタフさを備えているか、こういう所が評価軸としては大切なのではないでしょうか。

 

冒頭の話に戻ると、当時の私はその際に与えられた仕事はこなしていたのかもしれません。ですが、その上のポジションになった際に、上司の期待を超える成果を出してくれそうかどうかで言えば、上記の評価軸でNOだったのでしょう。残念ですが、わかる気がします笑