manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

参謀と親分

みなさん、こんにちは。

 

先日、立ち回りのよくないプロパーの幹部社員の話になりました。あっちに行っては、誰々のこんなところがよくない、こちらに行っては誰々のこんなところが行けてないと囁きます。卑怯なコウモリのようです。ただ、一方で賢者のようにプロジェクトや顧客対応の難しいところでは頼りになるわけですから、指導もしにくい。こんな感じです。

 

私も長らく経営企画部のようなところにいましたので、周りの忙しく数字を背負わされている人たちに比べれば、考える時間も多くあり、自分がやっていることに集中できるし、社長にも近いところからやってくるので、有利なポジションから参謀的に仕事をすることに長らく関わってきました。同じように指導が入りにくかったりしたのでしょう。

 

責任のレベルがそこまで高くないポジションであれば、こういう振る舞いや周囲との関係性でもよかろうなのでしょうが、例えば社長だったり、事業部門長だったりするとそれは少しまずいようにも思います。卑怯なコウモリのような振る舞いだったり、論理的に正しいことを一方的に迫ったりと、いうことでは、率いている社員からの信頼は得られないでしょう。親分としての信頼を得るための行動が必要なのだと思います。

 

そういえば、海賊は規律にはとても厳しかったと何かの本で読みました。航海はとても危険で、乗組員のみなさんが信頼して背中を預けるには、ちょっとしたサボりだったり、信用できない人がいれば、その人たちのせいで船が沈没して全滅することもあるからです。そんな海賊の船長は賢いだけではなくて、みなさんの信頼を集めていて、時には厳しい判断をするが、それがみなさんにも支持されている必要があるでしょう。

 

参謀は頭が良ければOKかもしれませんが、親分でいるにはそれだけでは足りません。時には鼓舞をしたり、時には厳しく指導したり難しい局面をこなしながらも、メンバーからの信頼が崩れない。もちろん自分の自信のようなものも大切なのでしょうが、判断が間違っていないということを実績で示し、周囲からの信望が集まっている状態を作らなければなりません。腹心の部下が数名いるという状態では不足しています。逆に特定の腹心を置くのは、組織全体の信頼を集めようとするにはマイナスに働くかもしれません。ファミリーのボスとして、公平でありながら、何かトラブルがあった際には明らかな判断の軸をセットして、その判断が論理的にも感情的にも受け入れられる状態を作っていく必要があります。

 

さて、いろいろと書いてきましたが、参謀として優れていればいるほど、どうしても論理側に偏ってしまうため、逆に親分への転身はもしかしたら難しいのではないかと思ったわけであります。その彼も私も、親分としてキャリアを成長させていくにはもう少し違う方面の努力をして、いわゆる人間力を高めていかなければならないのでしょう。逆にいうと、親分からすれば、論理的にこっちだー、と口喧しくごちゃごちゃいう存在はある意味ではありがたいのかもしれませんね。