manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

人事ローテーションと組織の成長

みなさん、こんにちは。

 

もうすぐ4月、新しい期が始まります。来年度に向けて、準備の活動をされている方もいらっしゃるように思います。当社も来年度に向けて組織改正や予算の検討を進めてまいりまして、大枠が固まりました。管理職のローテーションを大きな軸に据えています。みなさんのご想像に難くなく、いろんな声が出てきています。

 

抜擢人事には「何故、あいつが?」「年功序列ではなかったのか?」という声が上がります。また、自分の事業に思い入れのある管理職ほど「自分がいないと事業が成り立たない」「他人にできるわけがない」となってしまいます。加えて言うと、自分たちの会社に対して、出向で降りてきた幹部が適当な考えで人事・組織を決めて、やる気が出ない、こんな管理職も出てくるようにも思います。そして、異動に不満な社員からは、当然ながら「辞めます」と言うことにもなるでしょう。

 

そういう不平不満を生むことが分かっていなかったかというと、もちろん、そんなことはありません。きっと出てくるだろうと思っていました。では何故?そういう不平不満を抱えながらも、こうしたローテーションを実施するのか?が本質的な問いになると思います。私の経験に照らし合わせて考えると、当然ながら、異動して、異なる領域の仕事に取り組んだ際の成長曲線の角度は高まります。ですが、そんなことは今回異動する個々人からすれば、経験したこともないでしょうし、腑に落ちて理解することはできないでしょう。個々人からすると「意味不明」となることは間違いありません。

 

ですが、会社や組織を軸に考えるとこれでは困ります。お客様をがっちりつかんだ管理職はやがてお客様や売り上げを盾にとり、会社からの要望に対し、「それは違う」と突っぱね始めるかもしれません。管理職が急に部下とお客様を引き連れて辞めてしまい、他の会社に移ったり、自分たちで事業を立ち上げようとなるかもしれません。

 

また、今、上位の役職にいる社員は幅広く事業とお客様を見ていますが、その下の管理職は自分の事業と今担当しているお客様しか知らない。こんな状態で上位の役職の社員が適切な働きかけができるかというと、どんなに頑張っても難しいでしょう。

 

さらに、管理職の問題解決能力も異動がない場合にはそれほど大きくは成長しません。これまで担当していたお客様では、関係性が固定化してしまい、よくも悪くも変化はできない。業務を一番知っているのは管理職、という状態では部下もその管理職の言うことに意見はしにくいでしょう。組織としての問題解決能力も向上していきません。

 

これらのことを考えていくとローテーションしない、という選択は会社・組織を軸に考えるとありえないはずです。ですが、その後、大いに起こる混乱への覚悟が作れず、「やめよう」となるか、中途半端に実行して、全体としてはあまり変わらない結果となりがちです。

 

今回は大いにローテーションをしていまして、ある意味では混乱するのが当然です。元居た管理職が代わった管理職に手を差し伸べてはじめてうまく回るような、そんな状態です。大いに組織の力が醸成される枠組みになっています。あとはしっかりと熱を注いで、実行をサポートしていくだけです。これが一番難しいのですが、粘り強く取り組んでいきたいと思います。