manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

手に入れたいもの

みなさん、こんにちは。

 

仕事での経験を通じて手に入れたいものが誰にしもあろうかと思います。私自身は、異動が多く、少しの期間で様々な経験をさせていただいたので、このことをあまり具体的に考えて来なかったように思います。今の会社の部長以上のみなさんをとっても一人ひとり異なるようにも感じます。少し掘り下げてみましょう。

 

ある方は、とにかく権限を大切にしているような言動が多いです。確かに、大きな会社で営業成績を残し、大きな権限を手にする。かつての企業戦士の憧れの地がそこにあるのかもしれません。ですが、権限は通常であれば、責任とセットです。過去、大企業が安定的で、経営が揺らぐことなく、責任を問われることがなければ、得ている権限の大きさだけをエンジョイできますが、今時はそうでもないでしょう。大震災の際の東京電力やコロナ禍での航空会社、昨今では東芝へのファンドの買収提案の話が紙上を賑わせていますね。

 

自分は専門家としての経験の幅を広げたいのだ、という方もいます。CFOやCHROを目指している方々ですね。多くの方がCFOであれば、経理・会計・ファイナンス、人事であれば人事・組織・人材開発を極めていけば、そこにたどり着けると思っているかもしれません。ですが、CFOやCHROは会社役員ですから、自らの担当する機能・業務だけをみていれば100点というわけにはいきません。ですので、事業のことやマネジメントのこともある程度の経験は必須でしょう。ですが、専門職を育てていくキャリアパスからはこれらは得にくいですね。過去に、このBlogで経営企画は専門職だと書いたようにも思いますが、自分の守備範囲を企画の領域に限っていればその通りですね。CSO(Chief  Strategy Office)には何かが足りない、ということになるでしょう。

 

では私自身はどう考えているのかというと、これらのどちらでもないように思います。あまり権限のようなものには興味はありませんし、専門性も広く浅くなので、一定レベルの理解と「なんのために」が理解できればそこでOKな感じです。ですが、仕事を通じて手に入れたいものはあります。それは「組織の力」を高めることのできる能力ではないかと最近考えつつあります。

 

以前、親会社の社長に「あなたがどれほど優秀でも、自分が活躍しても、その会社を離れた際に元に戻っては意味がない」とアドバイスをいただきました。また、逆に今の会社のプロパー社員からは「過去、トラブルがあった際に、親会社から数名送り込まれてきて、問題解決はできたが、自分たちは何も残らなかった」話を聞きました。確かにこれでは意味がありません。自分がリーダーシップを発揮する活動の中で、チームメンバーが新たに知恵をつけ、自分たちの考え方を発展させて、成長していくきっかけを残していかなければ来た意味がありません。

 

「レガシー」という言葉があります。負の遺産ではなく、プラスの遺産を会社に残していく。これまでは問題解決できる自分が偉いんだ、なんて、思っていたところもありますが、会社にいるみなさんが自分たちで問題解決できる能力を身につけることの方が難度としては高いでしょう。そういう状態を作るような能力を手に入れたいと今は思っています。ついでにいうと、このことを成しえるためには、一定の権限であったり、それなりの専門性や事業理解は必須です。目的と手段の関係のように得た権限や知識を使って何を成すか、これが大切なのだと思います。