manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

自己努力とその限界

みなさん、こんにちは。

 

学生の頃のサッカーの話です。毎週かなりの時間を練習に費やしていました。幸せな時間ですね。おかげさまで、身体能力は向上しましたし、足元の技術が上手になりました。1対1でディフェンスする局面で勝負に負けない。ヘディングで競り勝って負けない。ショートパスを繋いで中盤の混雑を打開する、などなどできるようになったことは山のようにあります。ですが、今にして振り返ってみると、これは本当にもったいない時間の遣い方だったなぁと反省しています。

 

今の奥さんなんですが、当時はまだ付き合ったばかりの頃でした。「そんなに一生懸命に取り組んでいるなら、コーチでも雇って、教えてもらったら」とアドバイスされました。そんな発想は1ミリもなかったので、当時はスルーしていましたが、これはもったいなかったと思います。確かに言われてみると、自分たちなりに工夫して頑張ってはいるものの、そこからもう一段レベルの高いチームになるには何を取り入れなければいけないのか、そういった視点で自分たちのチームを見たことはありませんでした。今でこそ、ネットにいろんなコンテンツがあり、サッカーの学び方やトレーニングの仕方を知ることができますが、我々が青春を過ごした時代にはそんなものはありませんでした。何を言いたいかというと、サッカーを知らないで、勝ち方を知らないで、強くなるためのチームづくりのあり方を知らないで、個々人が個々人の思うがままにサッカーをしていたわけなので、それは強くなれるわけがありません。もうフィジカルを鍛えるしかないですね笑

 

さて、仕事の方に目線を移して考えてみたいと思いますが、これまで仕事をしたことのない学生が社会人になって、最初に接するのは職場の先輩や上司なのは間違いないと思います。遡ってみると、その先輩や上司も同じでしょう。最初に出会うのは彼らの先輩や上司でしょう。さて、彼らが何らかの訓練を受けていて、部下の導き方を知っているかというと、そんなことはないでしょう。まれにいるかもしれませんが、巡り合ったとしたらそれは奇跡で、相当運のよい出来事ですね。

 

仕事を始めてから数年は見よう見まねで仕事を覚え、ある程度できるようになってきたくらいのタイミングで後輩が入ってきます。当然、自分よりは仕事ができないはずで、仕事ができるように教える役割を任せてもらうかもしれません。ですが、そんなことはしたことがありませんので、自分流に、もしくは何かの本で学んだことを実践してみる。上手くいったり、上手くいかなかったりで、時には先輩や上司からアドバイスをもらったり、そんなんじゃぁダメだとアドバイスをもらうかもしれません。

 

そういう連鎖が20年、会社によっては100年以上も繰り返されてしまうわけですが、改めて考えてみると、これは健全なことかというと、そうではないように思います。冒頭のサッカーの例と同じように、部下育成とはどういうものか、マネジメントとはどういうものか、会社経営とはどう言うものか、こうしたことを知っているか知らないでいるのかは大きく違うでしょう。本人は本当に一生懸命に部下育成に取り組んでいて、彼らの考える力を伸ばそうと、何故かを考えろと指導していた上司がいたとします。部下からすれば、理屈で詰められて辛いでしょう。間違いなく、辛い。何故と詰め寄って、部下が考えるようになれるわけがありません。ですが、上司は極めて真面目に問うてます。何故と。

 

仮にこのままその上司が間違って社長にでもなってしまった暁には、究極的には社長が理詰めで部下達を詰めている、そんな光景があるかもしれません。最近流行りのコーチングの方ではなく、テニスのコーチやサッカーのコーチと同じように正しい技術、試合に勝つための一般的なセオリーを正しく理解させてくれる方のコーチが伴走してくれた方が生産性が高いのは言うまでもありません。自分のいた環境が全て、やってきたことが全て正しいはず、という前提はそもそも間違っているのですが、それになかなか気付くことができません。ですので、自分たちだけの努力によってことを成していくことは非効率であることはリーダーの立場でいるみなさんは知っておいた方がよいと改めて感じた次第であります。