manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

どの階段を登るのか

みなさん、こんにちは。

 

アオアシ第8巻、義経くんとアシトくんの会話です。その前のシーンで、FWの義経くんは卓越した技術と身体能力で相手のDFを抜き去りチャンスを作ります。圧倒的です。憧れの眼差しでそれを見ていたアシトくんは「あなたのようになりたい」と伝えます。そんなアシトくんに「お前は、オレを目指すな。十分に素晴らしい階段を登っている」と答えます。これは、足元の技術や身体能力で強いサッカー選手を目指すよりも、アシトくんの卓越した「俯瞰」という能力を活かしたプレイヤーになるべきという素晴らしいアドバイスなのですが、当のアシトくんは訳がわからずにポカンとしています。

 

さて、仕事の方に話を移して、同様のことを考えるとすると、それは自身のキャリアの階段についての話となるでしょう。キャリア形成についても、義経くんとアシトくんのこの会話のような「人の能力・資質に適した階段」があるように思います。ただ、キャリアの早い段階では、それに自ら気づく機会は少なく、また、あまり仕事のことも会社のことも世の中のこともわからないうちに、就職活動をしてたまたま合格した会社で、人事が適当に決めた(失礼で、すいません)職種で仕事を始めることになります。

 

その結果、スケジュールやお金の管理だったり、お客様とのコミュニケーションがあまり得意ではないのに、情報科学系の大学を出ただけでSEになったり、本当は仲間づくりが得意でチームで物事を成し遂げることが大好きなのに、法学部出身者ということで法務部で契約書を地味にチェックし続けているようなケースもあるでしょう。

 

アシトくんの場合は彼の才能に気づいてくれたコーチや同僚によって成長機会が得られ、成長の階段を登っていくわけですが、社会人ともなれば、自分で見つけるのか、素晴らしい上司もしくはメンターに出会うかいずれかになります。もうちょっと言うと、周りから見ていてあまりにもマネジメントの適正がないのに、部長に昇進したいなんて方は山ほどいますね。

 

自分の適正にピッタリと適合した素晴らしい仕事に巡り会うことも、適性を見抜いてくれる上司やメンバーに出会うことは、偶然に期待するしかないようにも思います。ですが、果たしてそれはどうなのでしょうか。アシトくんの場合はコーチの言葉を素直に受け止め、一生懸命に考えて次の道を切り開きます。仕事・社会人でも同じように余程の嫌なやつでもない限り、自分にフィードバックをしてくれる上司やメンターは少なからずいると思います。どのような方も完璧な状態などはあり得ないわけですから、フィードバックをヒントに振り返り、今の仕事と自分の特質・強みが適合しているのかを確認することは誰にでもできるようにも思います。何を言いたいかというと、自分の上司やメンター、そしてアドバイスをくれる同僚を「よいコーチ」とするか、「毒にも薬にもならないことを言う外野」とするのかは、本人の構え次第ではないかということです。

 

私の場合で言いますと、キャリアも後半に差し掛かっており、自分の人生における大切なキャリアの選択を他人に委ねるわけにはいきません。ですので、これらの皆さんの声を大切に受け止めて、自分でキャリアの方向を定めていきたいと改めて思った次第であります。