manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

幸せな意思決定

みなさん、こんにちは。

 

以前にお付き合いのあったコンサルタントの方と会食する機会がありました。多方面のお話しで盛り上がったのですが、最後にシナリオプラニングの話になりました。過去に予想した「起こると困るけど、起こりそうなシナリオ」が現実のものになっている。確かに、IT業界ではインターネットの普及以降、技術革新によって色々なことが様変わりしました。起こりそう、と思っていながら、先んじて対応できない。なぜそうなるのかについて話題が及んでいきました。

 

起こると困ることに対しては、今は目を向けたくない。変革しようとするのも辛い。起こると辛いけど、今動くのはもっと辛い。であれば、起こるまでは、今のままでいよう。起こらないかもしれないし。ということです。確かにこの意思決定で「今は幸せ」となります。将来に起こるかもしれない何かのために、今変化することは、多くの場合、幸せではありません。辛い出来事を乗り越えて変革することはタフですし、お金もかかるかもしれません。これまで一緒に事業を作ってきた方から嫌われることもあるでしょう。場合によっては、恨みを買うこともあるかもしれません。そして、今ある事業の売上と利益を追求することも求められます。ということで、どうしてもそちらに向かう動きが重くなってしまいます。やらなくても怒られない場合が多いでしょう。そして、現行の事業を形作る組織が大きければ大きいほど、関わる人も多くなり、一人ひとりの人生を背負っているわけですから、現状を否定する方向には動きを取りにくいでしょう。

 

ということで、将来起こるかもしれないが、もしかしたら起こらないかもしれないことの方に期待し、今は現行の延長線上に頑張ろうとするわけです。その選択は今の幸せにつながります。このことをもう少し進展させると、事業規模についても現状のままでよい。今日も昨日の続き、明日も今日の続きで同じことができれば幸せとなります。

 

サッカーなどのスポーツの方に話を移すと、これまでと同じプレイスタイルを貫くことで、うまくいくことがあればそれは幸せでしょう。違う技を身につけることは変化が必要です。習得したことが実際に使われる場面はもしかしたら来ないかもしれません。ということで、得意な練習を得意な形で続け、試合でもいつものように頑張り、勝てる相手には勝てるが、実力が上回る相手には勝てない状況が続いてしまうでしょう。

 

幸せな意思決定の裏には「これまで上手くいっていた」という自己肯定があります。その上で、現状を続けることが幸せで楽だという状況があります。これまで上手くいっていたが、上手くいかない「かもしれない」ではなかなかこの状況を変化させることは難しい。そして「起こった」際に、時遅しながらも、対応せざるを得ない状況になり、やむなく、構造改革の運びとなってしまうわけです。このようなことをつらつらと考えていく中で、難しい状況になることに目を向けないで得られる「幸せ」の存在をまずはきちんと認識することが大切なのではないかと感じました。