manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

予算と投資

みなさん、こんにちは。

 

過去、戦略投資と謳って、いくばくかの費用を管理するようなことをしていたことがあります。コーポレートで決めた領域に戦略的に投資をしてリターンを得ようという目論見です。投資と一口に言っても、年度の中で消化されてしまう費用もあれば、棚卸資産となる開発投資だったり、設備投資だったりと様々です。設備投資については、回収が比較的明確に試算できますが、開発投資や販売促進の費用はなかなか難しいところがありますね。投資対効果の予測は色々と試算できるのですが、難しいのは年度予算における位置付けだったことを覚えています。なにを言いたいのかというと、投資枠を渡された部門が損益予算の達成が苦しければ、いただいた枠の一部を使わずに、利益の穴埋めに使うような感じです。

 

投資金額の規模は異なりますが、今の会社でも同じようなことが起っています。まぁ、年度はまだ3分の1くらいしか過ぎていませんので、残り3分の2はなにが起こるかわかりません。不安なことは挙げ始めればキリがありませんし、想像している不安のうち、幾らかは実際に起こるかもしれません。

 

大きな目線でこの現象を見れば、投資は投資、予算は予算で両方きちんと頑張る、が正解なのですが、ひとつのお財布に入ってしまった後ではお金に色はつきません。そして、事業部門の皆さんからすれば、投資は投資として建前としては大切なのですが、いわゆる重要なのだけど緊急ではないことに分類されてしまいます。ですので、予算ができるかどうかが一丁目一番地で、それ以外のことはかなり優先順位が落ちてしまいます。

 

部門長とはいえ、人間ですから、どうしても自分に課せられた使命の一丁目一番地をきちんとやり切りたい。投資などは、上手く行ったところで、数年後のリターンとなりますので、自分の在任期間の間に花が咲くかどうかもわかりません。ましてや、投資そのものが有効かどうかの目利きも難しい。というよりも、確からしい投資の方が少ないのが世の常です。

 

というようなこともあり、どうしても投資ができない。その結果、なにが起こっているかというと、とにかく予算だけやりきる組織となってしまい、事業環境が変わったり、キーマンの退職などで、大きく揺らいでしまう組織のままでいてしまうわけであります。皆さん、このことは頭ではよくわかっているのですが、どうしても心がついてこない。

 

賛否両論ありますが、大きな会社ですと、戦略的な投資を事業部門とは切り離したり、テクニカルに評価から除外したりとやりようは様々あります。ですが、中小企業ともなると、まぁ、そんなテクニック論の理屈だけではなかなか投資を使い切る方向に向かわないでしょう。とはいえ、このままでは同じところをぐるぐる回っているだけですので、機動的に色々と試してみたいと思います。