manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

正解と不正解

みなさん、こんにちは。

 

先日、この4月に出向元に復帰した年上の元部下と連絡を取る機会がありました。「最近どうですか?」と聞かれましたので、あまり深く考えずに「難しい」と返信したのですが、改めて「難しい」と感じたことを考えてみたいと思いました。そりゃ仕事ですから、難しいでしょう、というご指摘はその通りなのですが、これまでの仕事の難しさと今回メールに返信した難しさは少し異なるように感じます。

 

当然、仕事なわけですから、さまざまな範囲と定義があると思います。人事部の給与業務を統括する課長であれば、滞りなく給与が従業員の皆さんにお支払いできている状況を維持し、発展させていくことでしょう。事業部門長であれば、管轄する部門が中長期的に発展していくような活動ができつつ、予算もできるような運営をしていただければ、文句はありませんね。プロジェクト的にいえば、定義された活動を限られた期間の中で終えられればOKということもあるかもしれません。いずれにしても、こうすれば上手くいくだろうと仮説があり、そこに向けて施策を考え、実行していき、途中でうまくいっているかそうでないかを見つめ直し、軌道修正してくこともセットですね。

 

さて、冒頭の「難しい」に戻りまして、何が難しいのかというと、この「こうすれば上手くいくだろう」という仮説が立ちにくい状況にあることがあるように思います。経営ということを対象に考えると、ゴーイングコンサーンで持続的に発展していく状態がよろしかろうとすれば、個々の仕事でいうGOALのような、これにて完結、というような状態を定義しにくくあります。個々の組織の状況だったり、課題だったりを挙げていけば、取り組むべき仕事は山のようにあります。ですが、それらを全て解決することで持続的に発展していく状態となるのかというと、そうとも限らない。

 

何を言いたいのかというと、この活動をこの範囲でやり遂げれば「正解」ということが非常にわかりにくい状態にあり、それが「難しい」という表現につながった、ということです。うまく言葉にできないのですが、「因数が多く、何から手をつければよいかわからない」「わからない状態なので、底が抜けていて、漠然と不安」「状態に働きかけていく必要があるが、即効性が無いため、効いているのかどうかわからない」こんな感じでしょうか。

 

経営の結果としての年度ごとの決算という成績表はありますが、それはあくまで1年間の通信簿でしかありません。過去、日立製作所が何千億円の赤字を出した年がありましたが、そこからの発展ぶりは素晴らしく、それを実現していく組織の力をどう作り込んでいったのか。比較するのもおこがましいですが、同じように当時の経営陣は「こうすれば必ずうまくいくだろう」という何かがあったのではないと思います。もちろん、優秀な社員やコンサルタントの知恵があったのでしょうが、「底が抜けていて、漠然と不安」な状態は大きくは変わらなかったのではないかと推察します。経営陣としての自分が役目を終えて、その組織を去って、何年か経って、ようやく「あぁ、あれはためになったんだなぁ」とわかることがあって、その時は不正解だと思っても、正解と転じることもあるでしょうし、その逆もあるのかもしれません。ごちゃごちゃ書きましたが、まぁ、たくさん考えて、自分の得意なことを中心にベストを尽くすしかないのでしょうね。