manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

支援と自立

みなさん、こんにちは。

 

先日、幹部社員のひとりから、「この会社で続けていくことが難しい」と相談がありました。数年前に昇格したのですが、伸び悩んでいました。期待に応えられていないが、このままでは、いかんともし難いと思い至ったのでしょう。

 

企業の大小問わずこのようなことはよくあるのだと思います。大きな会社だと、懐が大きいので、異動だったり、違う役割にアサインして凌げるのですが、当社は中小企業なのでそれは難しい。他方、伸び悩んでいる方への適切な支援ができたのかについても、企業の大小問わず、課題なのかなとも思います。大企業なら目立たないが故に支援も乏しい。うまくいってないことは多々ありますが、目立たないので尚更そうなります。中小企業はそんな余力があるわけではないので、支援が乏しく、立ち上がれるかどうかはご本人次第となってしまいがちですね。

 

本質的には「ご本人がどうありたいか」がベースの論点だと思います。昇格によって新たな立場にチャレンジするわけですから、当然、うまくいかないこともあるでしょう。そんな時に、過去の自分の得意技に拘らず、新たな能力を身に付けようと頑張れるか。もう少し遡ると、頑張ってチャレンジしようと思う環境がそこにあるかも大切だと思います。

 

チャレンジには失敗がついて回ります。頑張ってもうまくいかない。そんな時に「どーすんだ」と評論され、責められては次へのチャレンジへの活力が湧いてきません。むしろ、火が消える方向に作用するでしょう。ただ、役職が上になる程、そう簡単にはいきません。幹部なんだから、自分でなんとかしなよ。高い給料もらってるんだから、できて当然でしょうと思う方も多いでしょう。

 

ただ、過去に挑戦してきたよりも仕事の難しさは、役職が上になるほど上がります。そして得られる支援も少なくなります。環境も厳しくなり、そんなに何年も待ってもらえません。だからこそ、さらに頑張りたい、頑張れる動機が必要となります。ですが、役職がトップに向かうほど、私的な役得よりも公的な使命感の要素が強くなってきます。このようなことを考えれば考えるほどに、他者からの働きかけや支援だけでは乗り越えることが難しいように思います。

 

組織を背負って立つ身としての使命感や覚悟、自分が頑張ったことが組織の成長に繋がった、その結果が自分に跳ね返ってくる。自分が頑張ったから、それに対して評価がよくなるという見返りの考え方ではありません。ですが、多くの場合、過去からの仕事の延長線上としてそのように捉えてしまう方が多いようにも感じます。昔、何かのTV番組で、東大の学生が自分は頑張って勉強して東大に入ったのだから報われるべきだと発言して、コメンテーターから呆れられたというシーンがありました。これに近い考え方です。

 

話は少し逸れてしまいましたが、このような自身の仕事に対する認識設定がうまくいかないと、どんな支援や本人の能力が高くとも、歯車がうまく噛み合って回っていきません。大企業•中小企業問わず、上手くいっていない要因はここにあるのかもしれません。