manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

与えられた役割

みなさん、こんにちは。

 

仕事をする上で、いわゆる上司と呼ばれる方から「これをして欲しい」と頼まれたことをこなすことからみなさん仕事を始めるのだと思います。いくつかのお仕事をこなす上で、得意なことや不得意なことが自分なりにわかってきます。普通の人であれば、得意なことを得意なようにやっていると業績が上がり、褒められる。そんな状態になるのではないかと思います。

 

頑張って仕事をしている側からすると、なかなかわかりにくいところなのですが、上司側からすれば、得意なことを得意なようにこなしているだけであれば、それは少し奇異に映ります。不得意なこと、もしくは、得意なことの延長線上にあるチャレンジをしてもらい、どんどん技を増やし、新たなことができるようになってくれることが望ましいはずです。

 

一方で、チャレンジしたことが上手にできなかったときに、上司は「ちゃんとやってよ〜」という気持ちになって、少し苦言めいたことを言ったり、指摘をしたりするのですが、それがあまり上手にできない光景を見かけるようにも思います。上司からしてみれば、折角、期待して、新たなチャレンジなお仕事を頼んだのに、うーん、いまいちな結果だったなぁ、期待外れだったなぁ、こんなところでしょうか。

 

さて、日常的にはよくある光景なのですが、だんだんキャリアも終盤に差し掛かってくると、こういう光景を目にすることが難しくなるようにも思います。高いポジションであれば、チャレンジしてうまくいかなければ、すぐに交代となることもあるでしょうし、フィードバックもかかりにくい。どうしても、自分を守ろうとする行動や発言だったり、そもそもチャレンジすることが難しいので閉じこもってしまうこともあるでしょう。そして、さらに悪いことに、上のポジションとなればなるほど、それでも組織は回っていくようなところもあります。

 

加えていうと、そもそも「役割」ではなく、「全体に責任を負う」立場に変わっていくわけなのですが、そこの切り替えが難かしいところもあるように思います。「役割」であれば、範囲も明確ですし、何をどの順番で実行すれば、成果をアウトプットできるかのイメージはできるでしょうが、「全体に責任」と問われても何をすれば良いのかはピンとこないでしょう。

 

何を言いたいのかというと、この「役割分担を担う立場」と「全体に責任を負う立場」の「切り替え」が非常にわかりにくくて、仮にはっきりと「切り替え」ができなかったとしても、取り立てて失敗しているね、ということがわかりにくい。そうすると、なかなか全体がうまくいくように頑張ろう、すなわち経営人材が育ちにくい状況もよくわかります。「自分は与えられた役割をきちんとこなしている」そんな状態でも会社の業績が悪いこともあるでしょう。逆に、極端に言えば「何もしていない」状態だったとしても、1年や2年であれば、業績は保てるかもしれません。

 

この「切り替え」が最初からうまくできる人がいるのかというと、それはすごく難しいようにも感じます。最初から経営者をやったことがある人は当然いません。難しい仕事なのに、周りからも指導が入りにくい。一生懸命に取り組んでいるのに、努力の方向性が違うことも普通にあるでしょう。

 

モチベーションを下げずに、できることを増やしてもらう。キャリア形成の最初の頃は自然にできていたことが、キャリアの終盤ではそれがすごく難しくなる。確かに難易度の高いことに挑戦してしているわけですので、うまくいくための努力も難しければ、動機付けも難しい。それを認識した上で、きちんとしたフォローが入るような枠組みが何らか必要なのでは無いかと思った次第であります。