manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

視野の広さとスペース

みなさん、こんにちは。

 

もう10年以上前の事ですが、サッカーをしている際にパスを受けようとボールホルダーに近づいていった事がありました。その選手から「近い!」と言われ、はてなぜ?と不思議に思ったことを思い出しました。当時、所属していたチームは近い距離でショートパスをつないで局面を打開する選手が中核で、私としては当たり前のように近づいていったわけです。

 

先週の試合で、選手間が適度に距離をとることで、適切な陣形で守り、攻める際も適切にパスを繋ぐシーンがありました。10年以上経過してからようやく気づいたのですが、ひとりの選手が埋めれるスペースにも限りがあるわけで、このように選手の間で適度に距離を取り、スペースを埋めることでチームとしてフィールドを有効に使う事ができるわけです。

 

当然ながら、個々人が適度に上手で、サッカーに対する理解が必要なことが前提となるでしょう。冒頭のチームは足元の技術が乏しいため、顔を上げて遠くを見ることができないので、近づいていくことで、顔をあげなくても感じられる距離まで近づかなければショートパスを交換することができなかったわけであります。つまり、周りがあまり見えてなかったと言うことですね。

 

話を本題に移しまして、企業経営においても同じような事が言えるように思います。1人の社長・役員ができることには限りがあります。1人で隅から隅まででカバーできるとすれば、それは超人です。仮にできたとしても、一つひとつの力は弱くなるでしょう。逆に複数の役員が同じ領域に重なることもあります。これは上述の例で言うと「近い!」となります。加えると一生懸命になればなるほど、自分の周りの事が見えなくなります。自分はこんなに頑張っているのにと。

 

また、上述の例と同様に、ある程度の基本的な能力・知識・経験がなければ、安心してそのスペースを任せることができないでしょう。お任せしようとしたスペースでうまく行かなければ、そこにサポートに入らなければなりません。規模がある程度小さければ、ワンマン経営者が全てを把握し、意思決定する事でうまく回ることもあるのかもしれません。ですが、事業規模や従業員数が大きくなり、フィールドが広くなれば、そこをひとりの能力で完璧にカバーすることはできませんし、能力の足りない幹部が上手にスペースを埋めることも難しいでしょう。

 

と言うことで、会社経営を経営チームで上手に分担するには適度な距離感とフォーメーションが望ましく、その前提として一定レベルの能力が必要ということです。フォーメーションについては改めて、ここはあなた、と言うことを明確にすることも望ましいように思います。そうすることで、得手不得手をカバーしたり、能力向上に向けた努力もしやすくなるでしょう。少し足すと、コミュニケーションをスムーズにするための、前提としての関係性の質の向上が大切なのだと思います。関係性の質がよければ、周囲からよい情報も悪い情報も入ってくるため、いわゆる「周りが見えている」状態を作りやすくなります。視野を広くとり、スペースを分担して重複しないように埋めていく。言葉で言うのは簡単ですが、実際に実行していくのは難しいですね。