manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

適材適所と部下育成

みなさん、こんにちは。

 

部下の育成について、みなさん、多かれ少なかれ悩んでおられるのではないかと思います。かく言う私もよく悩んでいまして、上手くいかずにいろんな方によく相談させていただいています。その際に、「そこまで考えてあげるのは、偉いですねぇ」と言われることが多いのですが、それは「上手くいっていない」ので、そこまで考える必要があるわけです。逆説的ではありますが。

 

さて、上手くいかないことにも色々理由があるのですが、私の基本的な考え方は「できないことは、どう頑張ってもできるようにならない」です。冷たいように聞こえるかもしれませんが、例えば、論理的に物事を考えることが苦手な人がいます。この人に論理的に考えるって、こう言うことなんですよー、とレクチャーしたり、論理的でないところを指摘して、次から気をつけようね、と度重ねて指導したところで、論理的に考えるようにはよほどのことがなければなれません。その方の今の思考回路は人生何十年も生きてきた中で培われてきたものですので、これを外部からの指導により変えることは至難の技であります。

 

もちろんビジネスマンとしては、論理的に考えることは大きな武器でありますし、基本的には「できない」よりも「できる」方がよいことは間違いありません。ですが、「できない」人も一定数存在しています。一方で、その方には別の軸での「よさ」があります。例えば、人柄が良かったり、優しかったり、周囲を巻き込んだりする力は論理的な思考力とは別軸の「よさ」です。その「よさ」を活かした仕事が世の中には存在します。その方の「よさ」が活きる仕事に就いているかどうか、ここが大きな論点だと思っています。緻密なことが好きな方は緻密さが求められる仕事に、人に優しくするのが好きな方は人の面倒を見るような仕事が良いでしょう。

 

冒頭の話に戻りまして、部下育成に悩んでしまうのは、上記の観点での適材適所になっていない場合が多いと思います。そういった際には一定期間はチャレンジしてもらうとしても、ある一定の期間を経ても伸びなかった際には、やはり適職を探してあげるのが本人にも会社にとっても望ましいことでしょう。「そこまで考えてあげる」ことはふたつありまして、一つはこの仕事にはこうあって欲しいと言う観点での能力向上・能力開発で、もう一つが適材適所です。適材適所は将来、そうなれるかどうかの観点で観察しています。

 

この数年見ている中では、上の方の役職になればなるほど「難しい」わけでして、これまでで社会人として育ってきた中で、適切な能力が備わっていない、加えていうと、数年を経ても育っていかないだろうなぁと思うことが何度かありました。そうした際は、本人もある意味では可哀想ですし、会社にとってもネガティブ。このような状態を長く続けるよりも、やはり適材適所となる場所を探してきて、そこで頑張ってもらうような差配が必要なのだと痛感しています。

 

一方で、残念ながら、そこをバックアップする仕組みはありませんし、多くの場合は本人次第です。適職との出会いは一期一会で、運頼みなところも大きいわけですから、そういうアサインがされないのがベターとはいえ、能力・資質が足りない方が推薦されてくることがどうしてもあります。私自身も自分の資質・能力の及ばない仕事に巡り合う可能性も無くはないわけで、そういうアサインがされないことを神に祈るのみであります。