manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

お手伝いさんの多い家

みなさん、こんにちは。

 

タイトルが少し妙なのですが、みなさんは「お手伝いさんの多い家」と聞いてどんな家を想像するでしょうか。きっと、お金持ちの大きな家で、メイドさんや執事さんがご主人様とご家族を甲斐甲斐しく世話している光景を思い浮かべるでしょう。平民・庶民からすれば、羨ましい限りですね。

 

さて、仕事の方の話になりますが、私が大企業の親会社に在籍していた際のとあるプロジェクトの話です。リーダーっぽい人が体制図に記されているものの、実際は雇ったコンサルタントの方に丸投げで、プロジェクトマネジメントもステークホルダーへの説明も、エンドユーザーへの説明も課題管理も何もかもお任せという状況でした。ちょっとなぁ、と思いながら周りを見渡してみると、そういうプロジェクトが他にもいくつもあります。

 

この会社に移ってくる前にも、おぉ、こいついいこと言うじゃん、こんなやつも我が社の社員でいるなんて、まだまだ我が社も捨てたもんじゃないって、思ったら、部下から「あいつ、コンサルですよ」なんて、言われてガックリした思い出もあります。まぁ、コンサルタント的にはお客様の立場で、お客様の気持ちで、よい仕事をしているとなるのかもしれません。

 

ですが、悲しいかな「立場」が違います。あくまで業務を委託する側が責任者であり、そのコンサルタントは我が社の社員でもないわけですので、責任を負える立場にはありません。こうあったらよいですね。こうであるべきだ、という話はありがたく受け止めるとしても、組織の長としてそのアイデアを実行するしないの判断であったり、採用したアイデアを完了まで推進する責任は委託元にあります。冒頭の話に照らすと、コンサルタントはあくまでお手伝いというわけです。

 

本来であれば、社員が担うべき役割をコンサルタントに任せてしまっている。忙しく活動しているのはコンサルタントの皆さんで、社員の皆さんはそのアウトプットに頼り、他の部門の方はコンサルタントのお手伝いをしてしまっているような光景です。当然、結果には誰もコミットしてません。ライザップで言えば、トレーナーが一生懸命に頑張っているのに、当の本人がトレーナー任せ、そんな状況です。ライザップはそれでも痩せれるのかもしれませんが、企業で成果を出すにはそれでは無理でしょう。結果、プロジェクトがうまく回らず、仕様がどんどん変わり、納期がガンガン遅れる。然るべくして、そうなっています。オーナーシップを持って、プロジェクトの課題を捌いて行ったり、当初の狙いとずれて行っているところを腕力で元に戻していくような機能が欠けているわけなので、うまくいくわけがありません。

 

再度、冒頭の話に戻ると、確かに洗濯や食器洗いなんかは、お手伝いさんに任せてもよいでしょう。ですが、子育てや家計のやりくりなどは、課長・家族が責任を持って、意思を持って実行していくべきものでしょう。お金があることはよろしいことですが、お手伝いさんもコンサルタントが多ければ多いほどよいということではありませんね。適材適所で、使う側が意思を持ち、果たすべき役割をきちんと果たしていくことが大切だと改めて思いました。