manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

本当の本気

みなさん、こんにちは。

 

昨年度の4月から親会社から出向してきた部下がいます。大企業での仕事の進め方や求められる仕事の範囲が大きく異なるので戸惑っている様子が感じられます。良かれと思って色々と情報提供し、コーチングしてきたわけですが、先日、とある場のとある発言で、あぁ、これ全く話が入ってないなぁということに気づきました。

 

これも折角のケースですので、振り返りを入れてみます。伝えていることは一生懸命メモをしているので、聞いていないわけではありませんし、聞こうという姿勢がないわけではありません。仮に受け止めてくれているのだとして、では彼の行動や発言は何故変わらないのか。

 

少しスポーツに話を移しまして、例えばサッカーで、ボールをトラップする時の体の向きについて指導が入ったとしましょう。ボールを受ける際には半身になって、敵がいなくて、前を向ける際には前を向きましょう。とします。仮にこれが一般的に正しいことだったとした場合、わかりました、できるようにしたいと思ったとします。実際には、パスの練習の際に少し試してみたり、ミニゲームや練習試合で考えなくともできるようになる状態まで訓練し、ようやく試合でもできるようになります。身についているかどうかは、外から見ていると一目瞭然で、当然ながら、できていない選手よりもできている選手の方が活躍機会は多いでしょうし、選抜の際にも選ばれる可能性があるのではないかと思います。

 

とはいえ、ここに至るまでには色々な壁があります。例えば、そんなのできなくったって、自分は上手くて活躍できると思っているので、指導を受け入れないようなこともあります。やってみようと思っても、なかなかうまくできない、結果が出ないうちに、やっぱりやめたともなるでしょう。そもそも、上手くなろうとしていないケースもあるでしょう。ただ、プロになろう、と本気でサッカーをしているような選手はどんなヒントも貪欲に捉え、試してみることはもちろん、自分の頭で考えて、自分の適正に合うならどんどん使い、逆に合わないようなことなら、取り入れた後に簡単に捨てることもできるでしょう。

 

話を戻して、その彼はもしかするとできるようになろうとしていないのかもしれません。与えられた役割で、自分は頑張っている、と思っていたのなら、馬耳東風で何も入っていきません。もしくは、他に優先してして学ぶことがあると思っているのかもしれません。その前に、本当に経営者になろうとしているのなら、指摘されたことをきちんと受け止め、クイックに試し、自分の引き出しを増やしていくようなことが身についていくのだと思います。ですが、そもそもの本気のスイッチが入っていなければ、できない言い訳がどんどん先に出てきます。

 

自分には経営者の経験がない、実務がわからない、会社のことがわからない、あげていけばキリがありません。ですが、それはみんな一緒です。誰だって最初から会社を経営する立場で仕事をしているわけではありません。会社の実務を全て知っているスーパーマンなんているわけありません。自分の求められていることは何なのか、そこで成果を出していくことを積み重ねていって、経営に近いポジションを任されているわけです。ですので、そこで本気にならないことはとても勿体無いと思います。

 

もう少しいうと、その本気のスイッチは誰か他の人に押してもらうものでは決してなく、自分で入れる以外の方法はありません。昔、部下がハンカチとモチベーションは自分で会社に持ってくるべきものだと話していたのですが、このことも本来であれば、そのような類いのものなのかもしれませんね。