manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

経営のお仕事の引き継ぎ

みなさん、こんにちは。

 

社長や取締役はいわゆる会社経営がお仕事です。多くの企業では、新入社員から階段を上がってきた社員がいつか急に経営の立場になるのだと思います。私が任に就く際にはいわゆる引き継ぎと呼ばれるものはなく、また、トレーニングなるものもあったわけではなく、いきなり補助輪なしに自転車に乗るような感じで、出発することになりました。

 

なんとかかんとか模索しながら日々過ごしているわけですが、はたと立ち止まってみると、日々すごく自由な感じです。以前、シンガポールに駐在していた際に、東南アジアの各国の現地法人の社長の皆さんがどうであったかを伺う機会がありました。某国の社長は何やら社長室から出てこないそうでした。極端に言えば、そういう過ごし方もできるわけです。

 

逆にJAL再生の際の稲盛さんのように現場に出て、社員の皆さんと対話することもできれば、社長の得意技がM&Aであれば、M&Aで買収した会社を訪問して立て直すような社長もいるでしょう。社長といえど、部長や課長と同じく、個々の得意技を中心に経営に関わっていくのがよいのかもしれません。

 

さて、引き継ぎの話に戻りまして、私は前任者から引き継ぐことはあまりなかったと書きましたが、その流れで言えば、前任者が振る舞っていた振る舞い方や指示の出し方など、何かをあまり踏襲せずにいます。これがよいか悪いかは、経営の結果と、私が退任した後、成長を続けてくれるかどうかなのだとも思います。何かの答えがあって、それを見つけ出したりするものではありませんし、逆にいうと、いわゆる、こうすれば成長するということをやれば必ず成功するものでもありません。

 

このようなことをつらつらと書いていくと、経営の「引き継ぎ」ということは何を指すのかがよくわからなくなってきます。一方で、次に引き継いでくれる方にはこう振舞ってほしい、これは続けて欲しい、というようなことはたくさんあったりします。ですが、それを昨日今日初めてあったような人に引き継ぎをして心の底からそれを理解してもらうことは難しいでしょう。

 

ということで、何を言いたいかというと、引き継ぐ先は自分の後任者ではなく、今一緒に仕事をしている部下たちに思考や枠組みを伝達して、それが受け継がれていくような状態を作るのが正しいようにも思います。そう言えば、私の知っている範囲でも、過去に政策的に作った子会社の初代社長の営みが今でも脈々と続いています。社長が交代しようが受け継がれている会社もあります。世代を超えて営みが受け継がれ、世代が重なる程に強靭になっていくような仕組みを確立することが、他の何よりも引き継ぎなのかもしれませんね。