manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

聴衆とのコミュニケーション

みなさん、こんにちは。

 

個人として仕事をアウトプットしている際にはあまり必要のない能力なのですが、キャリアの段階がある程度以上のレベルになってくると他者に働きかける能力が必要になってきます。私の場合、働きかける他者は社長であったり、事業部門の部門長や関係会社の社長だったりで、指揮命令系統の上下ではない方々とのコミュニケーションが常でした。いわゆる「つべこべ言わずに、とっととヤッテ」という技が使えません。一定の納得を先方から引き出すための理屈を組み立て、感情に配慮し、時には交渉(あまり渡すものを持たせてもらってないことが多かったですが)し、個人と個人の対話の中でコトを運ぶことを得意としていました。緻密にロジックを組み立てて、相手の反応を見ながら感情を読み取り、乗ってくる条件と譲れる条件を見極めていくような感じです。双方向のコミュニケーションですね。

 

部長になった頃くらいから部会のような定例の場で、部員に対して講和するような機会が増えてきます。これは上記の個人対個人のコミュニケーションではありませんので、取り交わす情報やロジック・感情の密度はそこまで高くありません。対話の中でコンセンサスを積み重ねていくこともできません。5分くらいの限られた時間の中で何かのメッセージを届ける。そんな営みになります。情報伝達が一方向のコミュニケーションですね。

 

これは双方向コミュニケーションの延長線上にはありません。イメージでいえば、校長先生のお話のようなものです。あまり長くダラダラと話をしていても白けてきますし、実にこのオーディエンスの白ける雰囲気がありありと伝わってきます笑。と言うことで、求められることは、シンプルに「伝えたいメッセージ」をクリアにし、後は話力でストーリーを展開していく能力です。これを磨く必要があります。例えば、話す時間が5分なら5分間は1人で時間を使うことになります。この5分間に聴衆の興味を引き、納得を引き出し、行動変容を生み出すような働きかけをしていくわけです。

 

書いてみるとはっきりするのですが、これは非常に難度の高いことです。こういう講和が「今日初めて話しました」という段階でできるとしたらそれは奇跡でしょう。この流れで言うと、当然、訓練が必要なのはもちろん、自分が話したことを聴衆がどのように受け止めたのかを確認していくことも大切です。運びたかったメッセージが届いたのかどうか、自分の使った言葉は正しかったのか。こちらの意図の通りに受け取ってくれたのか。コロナ前であれば、聴衆の雰囲気を感じることができたのかもしれませんが、今後は以前のような聴衆を集めた集会のようなものは無くなっていくでしょう。

 

ですが、一方でリアルタイムのメッセージや終わった後のアンケートに感想が返ってくるようになれば、違う景色がそこにはあるように思います。よりよく講話会が行われていくような努力の方向も定まってくるでしょう。とつらつらと書きましたが、聴衆からポジティブな反応が返ってくると単純に嬉しかったりするわけで、次も頑張ろう、よりよく話そうを思う原動力となるわけです笑