manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

入らないフィードバック

みなさん、こんにちは。

 

先日、部下のひとりと1on1していた際に感じたことです。メモはたくさん取っているのですが、行動や発言が変わらない。結局、言われたことを指摘としては認識しているが、自分の腑に落として、「あ、これは本当に変えないとダメなんだ」と思っていないことなんだろうと思いました。煎じ詰めると、「入っていない」ということでしょう。

 

さて、少し踏み込んで観察をすると、その部下との間には信頼関係はそれなりにあると思っています。ですが、自分自身を変化させる原動力になるほどのエネルギーとしては「入っていない」ということでしょう。

 

教師が教えるのは、知識であり、論理であり、解法ですので、話を聞いて、その通りにやってみて、それを繰り返せば、できるようになります。中には難易度の高いものもあると思いますが、知識を理解し、手が動けばこなすことができます。ですが、これだけでは実践とは言わないと思います。ビジネスの現場やスポーツでは、理論を理解しても、その後に「実際にやってみる」という行動が必要になります。もう少し言うと、最初は意識して行動し、それが意識せずともできるように定着させるように習熟させる必要もあります。

 

畳の上の水錬とはよく言ったもので、畳の上でいくら泳ぐ練習をしたところで、泳げるようにはなりません。ということで、冒頭の部下の話に戻ると、結局、私のフィードバックを理屈として受け止めていて、きっとメモをして、記憶をしているところまでは、してくれているのだと思います。ついでに言うと、聞いて、わかった・理解したというところまではたどり着いているようにも感じます。

 

ですが、次に「こうしてみよう」というところまではなかなか行けてないように感じます。きっと本人は何らかの変化を起こしていると主張すると思います。ですが、そこが表現されてこなければ同じです。例えば、以前(と言っても随分と前ですが)、取り上げた「覚悟」の話をすると、覚悟をしているのかどうかなんて、周りから見ていると何もわからないでしょう。「覚悟している」と口で言っても、日頃の発言や行動をみなさん見ているわけですから、腰の座っていない様子が見てとれた際には「やっぱり、覚悟がない」と思われるでしょう。

 

この「覚悟」という、曖昧な概念を自分の職責に照らし合わせた際に、どのような発言や行動、もう少し言うと判断が必要なのか。そのためには何を自分の行動・発言・判断の軸にしないといけないのかが定まっていなければ、今日と明日で発言が違うことになるでしょう。と言うことで、冒頭の話に戻ると、ここの発言や行動を取り上げて、ここができていない・こうした方がよくなると指摘をいくらしたところで、その根幹にある経営哲学のようなところをまず自分の中で形成しないと、何事も入っていかないのだろうなぁと思い至った次第であります。