manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

役割分担と魂

みなさん、こんにちは。

 

先日、ある役員と人事の話をしていた際の出来事です。ある人を指して、「あいつは〇〇だからダメだ」と言い放っています。まぁ、確かにその彼にはそういうところがあります。ですが、その言葉に違和感を感じまして、そのことについて振り返ってみたいと思います。

 

違和感のひとつ目は、その「あいつ」を育てる責任は誰なんだっけ?という点です。そう、そのダメ出しをしている当人の部下のひとりなのだから、そんな無責任な言い方はないんじゃぁないかという点です。ずいぶんと第三者的な物言いです。画面越しに見ていて、それは自分の役割ではないという雰囲気です。しかも、自信たっぷりに、偉そうに言っているので、さらに違和感が深まります。

 

加えて言うと、話をしていた役員はいわゆる「人事担当」です。割と真面目な顔をして、人事部のみなさんは言うことが多いのですが、「人事部ほど足元の人材育成してない」とも言ってます。もう正直、冗談にしか聞こえませんね笑

 

さて、本題に戻して、こういう人材育成に対する無責任さはどこから来るのでしょう。この流れで人事部で考えてみますと、人事部の役割は例えば給与計算とか、評価などを滞りなく実行することが大切な役割です。それを実現するためにみなさん一生懸命に仕事をしているわけですが、ある程度の熟練で滞りなく実務がまわるようになるとトラブルでもなければなかなか成長機会はありません。

 

さらに大企業ともなれば人事の中で役割が細分化されていますので、やることをきちんとこなしている限りは居心地のよい空間が維持できます。そして、運がよければそのまま上のポジションに上がっていく事もできたりします。居心地のよい世界が増えていき、その組織の長になれば、いわゆる輪の中で文句を言わずに仕事をきっちりやってくれる人に光が当たります。ついでに言うと、耳の痛いことを主張する社員や今の延長線上にない改革をやろうという社員なんてとんでもないですね笑。反乱分子です。

 

ですが、他方ではそのような行動特性を持った社員が活躍できる仕事もあります。上司がその彼の輝く仕事を見つけてきたり、目に余るようなら指導を入れる事も大切です。折に触れて、よかったことと、こうすればもっと良くなることを気付かせてあげることがその彼の成長の栄養になるでしょう。確かに面倒くさいのですが、それが上司の勤めです。

 

役割分担が明確であれば、この「面倒な人材育成」が置いてきぼりになったとしても、上司には成果を主張できる場所があります。仕事をきっちりやっているのだから、人材育成はできませんでしたというわけです。

 

いやぁ、確かにそれはその通りなんでしょうが、それで何年も経ってしまった組織がどのような状態になっているのかを想像すると怖くて仕方がありません。きっと仕事だけがあって、良好な人間関係もなく、受け継がれていく精神もない。業務だけが粛々と引き継がれていく組織や会社にエンゲージメントも何もでしょう。

 

業務以外に何を大切にして何を受け継いで行くのか。業務知識も大切ですが、まずはそういった精神から固めていくべきなのではないかと思いました。