manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

期待値のコントロール

みなさん、こんにちは。

 

以前、マーケティング部門で働いていた頃の話です。若くして登用された先輩がしきりに「期待値のコントロールが大切なんだよ」と指導してくれていました。

 

その頃、マーケティング部門は社長に近く、社長の期待が高かったその一方で、社長の期待するような成果がそんなに簡単に出るわけでもなく、しょっちゅう怒られていたように思います。

 

ということで、この程度しかできないということを言いにくくてもきちんと共有しておくことが大切だという意図でのこのコメントです。確かに仕事を受ける方からすれば、自分を守るためには大切なことのように当時は感じていました。なるほどねと。

 

その方はとてもお仕事のできる方で、お客様と厳しい交渉もこなせれば、力強く部下を統制することもできました。そして、上司とちゃんと握って、成果を約束する期待値のコントロールまでも上手になされます。さぞ昇進していくのかと思いきや、もう一段くらいは登ったものの、そこで止まってしまい、早期退職制度で自ら会社を去られてしまいました。

 

会社を去っていく選択そのものはその方の人生ですので良し悪しはないですし、また、成果が出なかったので、そこで止まったというところのあるかもしれません。確かに難しい事業領域を任されていたように思います。

 

もろもろの環境がどう作用したかは一旦横に置いて、この「期待値のコントロール」という行為が、上位から見てどう映るかを今の立場で考えてみたいと思います。

 

確かに、自分と握りがあり、約束に向けては一定の進捗があるのでしょう。ないよりはあったほうが良いことではあると思います。

 

ですが、頼んだ側からすると、できることなのか、そうでないのかを早く知りたい。この延長線上に本当にやりたかったことができそうなのか、それともこの方向で進んでもいずれ厳しいのか、こちらがわかることの方が大切です。

 

逆に、できないことを「できません」と言わずに、期待値を刻んで、少し進捗させて、時間が過ぎる。これは経営側からすると、リソースを無駄に使ってしまうことに繋がります。

 

ただ、時代背景的に上司の指示はノーと言わずに受け止めてナンボという育ち方をしてきたのでしょう。ツベコベ言わずにベストを尽くすの世界観で育った中では、期待値のコントロールイノベーションだったのではないかとも思います。

 

もっというと、期待値をコントロールすることを上司と握ることに力を使うよりは、現場との調整であったり、相談であったりと、実行・実現に向けた働きかけに労力を使ってほしいとも思います。

 

この手の役割は自分の仕事ではないんだ、という経営企画の方がきっといるとは思うのですが、机に座り、資料をまとめ、上司の経営企画部長や社長や副社長とあーでもない、こーでもないと話していても、物事はなにも変わらないということでしょう。とても難しいことなので、上司としてはその仕事を丸投げでまかせっきりにするつもりも、一方ではないのですが、まぁ、頼まれた側からするとそんなに簡単には上司や社長には頼れませんね。ただ、逆に言うと、頼られて物事が進む/頼られなければ物事が進まない、ということであれば、喜んで力を貸してくれると思います。少なくとも、私は貸しますね笑