manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

簡単なことを難しく

みなさん、こんにちは。

 

先日の出来事です。ある施策の検討が必要で、部下に指示をしました。それを見ていた役員のひとりから進言がありました。「もっと全社で考えるべきではないか」と。その方は親会社からの出向ですので、まぁ、ありそうな進言です。こちらを嫌な気持ちにさせないような丁寧な物言いで、きっとここまで考えているんですよね、今後の展開はあるんですよねと、もう、素晴らしい気遣いであります。

 

正直なところ、私はあまり深く考えていませんでして、まず、手元の簡単なところから試してみて、良さそうであれば、展開もあるかもね、くらいな感じでした。まぁ、確かにご指摘の通りなので、「そうですね、徐々に考えていきましょう」と返信したわけですが、このことについて、少し考えてみたいと思いました。

 

確かに、全社施策としておかなければ、やれ不公平だの、なんだのと、各方面から指摘が入ることは間違いないと思います。ですが、我々は国や地方自治体ではありませんので、平等や公平にどこまでこだわる必要があるのか。これについてはよく考える必要があると思います。今でもコロナワクチン接種の予約が難しいように、平等や公平にこだわればどうしても歩みが遅くなります。

 

一方で、我々はビジネスなわけですので、いわゆる効率性だったり、迅速性だったり、他にも重視しておくべき指標があると思います。平等に準備したが、結局使ったのは一部だけだった。もしくは、一部のところでは不足していた。実はこういうことはよくあって、なんか頑張って施策を全面展開したものの、中途半端な効果だったなぁ、ということは何回もあったように思います。

 

今回の話に戻しますと、どうしても速さが欲しかった、やるかやらないかも早く決めたい。となると、全面的に検討すると、検討する時間ばかりかかってしまい、結果、検証も遅くて、実行も遅い。もたもたしてしまいます。あとは、検討させる方々にどれだけ自分ごととして考えさせるかも重要です。全面展開となると、どうしても大人数で実施するため、日頃接したことの無い部門の方々と連携しないといけないわけですが、そこのリソースの活用についても、よほどフットワークの軽い人がいる、もしくは、思い切った仮説を立てなければ、「うーん、どうしよう」となってしまいます。

 

ですので、大切なことは、どんなに小さな範囲でもよいので、「まず、やってみる」なのだと私は思います。そうすれば、実際に備品を購入したけど、そこまで必要なかった、もしくは、足りなかったなどがわかります。あとは、備品のストックだけあればよいのか、それとも、実施に備品を振り出す際のルールまで必要なのか、そんなことも走りながら考えていけばよいと思います。

 

ですが、完璧に整えてから、始めたい。そんな話が、出向元の会社ではとても多かったように思います。ちなみに、完璧に整えたとしても、実は、走り始めると、見えて来なかったことが後から見えてきます。で、制度やルールを作ったやつが悪いということで、批判されてしまい、結局、今まで入念に準備したことはなんだったのだろうかとなってしまいます。なんというか、今回のやりとりを通じて、物事を複雑にしているのは自分達の考え方や進め方なのだということに改めて気付かされた出来事でした。