manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

具体的であるということ

みなさん、こんにちは。

 

社員向けの研修を考えていたときの話です。受講対象になるメンバーにテキストを渡して、見てもらいコメントをもらいました。「何やらありがたい話なのはわかりますが、自分たちにどう関わってくるのかわからない」と言う事でした。なるほど、確かにテキストはいわゆる企画部門向けのものです。私の勤めていた会社では企画部門が幹部サポートをするので、それなりの抽象度の話が多いわけで、知らず知らずのうちに、現場の人たちからすると、まぁ、ありがたい話ではあるが、自分たちの役には立たない、と言う事なのでしょう。

 

確かに私自身も最初に経営企画的な部門に異動になった際に、どの部門の売り上げが予算比どうで、赤字がどうでと部門長が一生懸命に説明してくれていたわけですが、「この人は一体何を言っているのだろうか」と頭にハテナマークがついていました。現場の皆さんからは業務を適切にこなすことが大切で業務が進むことが聞きたい。一方で、上司からすると、一つ一つの業務は任せているので、自分たちのチームに任されている業務量が期日までにできるのかを知りたい。もう少し上の職位になると、予算比や前年比で良くなっているのか、悪くなっているのかを知りたい。経営幹部からすれば、そのチームは長期的に成長していけるのかどうか。株主からすれば、リターンがどうなのか、となるでしょう。

 

さて、現場の一人ひとりが株主へのリターンや長期的な成長だったり、予算比・前年比を考えて、自分の仕事をこなしているなんて状態ができればそれは素晴らしいことですが、実際には難しいと思います。上位にいる方が下位のみなさんのことを想像し、実際に役に立つことを話していかないと「ありがたい話」の域を出ないでしょう。

 

ただ、実際の幹部会や幹部講和では、発信者起点の抽象度の高い話が繰り広げられ、偉い人はそういうもんだ、という状況が当たり前だと思っていたようにも思います。ですが、大切なのは、話を聞いたオーディエンスが心を動かし、行動が変わる、そんな状態を作っていかないといけないのでしょう。

 

何を言いたいのかというと、役員だから、幹部だからと、大所高所からありがたいお話を繰り広げるだけではなく、時には具体的なところを取り上げ、メッセージの受け手に刺さり、行動が変わっていくような働きかけをしていくことが大切なのだということです。こんなことを書いた所で、さて、どうすればできるのか?これから大いに悩んで行きたいと思います。