manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

搾取なのか成長なのか

みなさん、こんにちは。

 

企画部門に移って、しばらく経ってからのことです。「こんなにのんびりしててよいのかな?」と感じたことを記憶しています。企画部門でいくつか違和感を感じたのですが、これが最初に違和感を覚えたことです。現場では、使われる側なので、何ヶ月のプロジェクトで予算が幾らで、あー、トラブルが!とか、今期受注10件取らないといけないのに、まだ2件!とか、そういう時間や目標に追い立てられますが、そんなことはなく、何かとくべき課題や対応すべき案件があればプロジェクトに入り、予算や中期経営計画の検討に必要な検討テーマがあれば、指示されたり、経営上でなにかトラブルがあれば、そこに関わって行くような仕事に変わったということなのでしょう。

 

最初の頃は気持ち悪くて仕方なかったのですが、不思議なもので、そのうち慣れてきて、まぁ、こんなもんかと思えてきました。最初の頃は暇で暇でしかたなく、ざわざわしている感じだったですが、幾つかのプロジェクトに入り、経験を積み、それなりに役立つようになったタイミングでふと気づきました。あれ、なんか、プロジェクトに入ってない時は、暇なんじゃないかと。

 

常に何か解くべき課題やプロジェクトやトラブルがあると言うわけではないので、当然、繁閑があります。うーん、勉強していてよいよと言われるものの、何かもったない。かといって、中途半端に他の部門の活動に関わって、そこを抜けられない状態になると、緊急案件が入った際に身動きが取れないのもまずい。うーん、ちょっと暇だなぁ、と思ったタイミングで、新たな案件が始まる。そんな繰り返しでした。そんな時、ふと、キープされてる?という感覚を持ちました。

 

当時、その企画部門にはエースがいて、一番の案件は彼がこなします。こぼれてくる二番目や三番目の案件でようやく出番がやってきます。それでも、最初のころの企画としての仕事の習得や面白い仕事が転がってくるので、それを待ちながら、仕事をこなしていました。ただ、この待ちの時間、キープの時間がどうしても勿体無いと思っていました。

 

少し話は変わりますが、今の立場でスタフ部門全体を見ていると、どうしても穴が空くとマズい仕事があります。決算だったり、月次の給与だったり。そういう仕事は必ずしも、個々人の成長を業務を通じて実現できるわけではないですが、なかなか交代を立てられる程の経済的・人的ゆとりもないため、どうしてもそのままになります。結果、成長を得られない仕事をしばらく、ひどい場合は何十年と続けることになります。

 

さて、これらは会社側からすれば必要なことなので、暇だろうが待っていてもらわないとダメだし、業務を維持するための仕事に従事し続けてもらうような事態になってしまいます。それで成長が実現されれば、将来、他の会社で働く選択肢も得られるでしょうが、そこに成長がない場合もあります。なければ、単純に搾取で終わってしまいます。これでは、会社側が従業員に対し誠実ではありません。

 

会社側や上司はあまり個々人のキャリアプランのことを考えていないのが実態だと思います。そうした際に、自らの意志でキャリアを作っていこうとしなければ、知らないうちに人生の貴重な時間が会社から搾取されているなんてことが割と簡単に起こるわけです。もしかしたら20代はそれでよいかもしれませんが、30代、40代は仕事と自らの成長を見極めてキャリアを作り上げていくための仕事の選択が本来であれば、必要なのでしょう。

 

とはいえ、現実は忙しかったり、思う通りの仕事が得られなかったり、家庭の事情があったりと難しいかったりするでしょう。ですが、会社や上司側は上記のような性質を持っているということを覚えて置くことが自分を守ることにつながって行くのではないかと思いました。