manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

ガツンと

みなさん、こんにちは。

 

先日、役員のひとりと会話していた時のことです。組織の風土を変えるためにガツンと強く言って、統制をきかせないとダメだ的な話になりました。この方は昔からそういう組織で育ってきただと思いますが、我々が今いる会社はそういう会社ではないことは明白です。ご本人のもそのことには気づいていながらも、最後には「ガツンと」いくべきだというご主張です。

 

逆説的ではありますが、ガツンと言って、言うことを聞いてくれる組織であれば、そもそもガツンと言わなくても、それなりに指示が通り、統制が効いている状態だと思います。サークル的に、そして、自己保身的な振る舞いが蔓延している状態でガツンと言ったとしたら、何が起こるかは私にとっては明白です。サークル的ですので、ガツンと言った人には誰も寄り付かなくなりますし、自己保身に対し、否定を入れる訳ですから、さらに防衛の型が強くなります。そもそもガツンと言う行為そのものが、本当にその方々のことを思っていたとしても、どうしても責めているように映ります。

 

一方で、我慢して対話を重ねようとして、頑張ってみても、そんなに劇的に直ぐによくなることはないでしょう。みなさん、自分がどれだけ頑張っているかを主張し、その気持ちや背景を認めたところで、行動が発言がすぐさま適切な状態になるはずがありません。ですが、「ガツンと言いたい」ところを我慢して対話したのに、いつまで経っても変わらない。よくならないと不満になります。自分のスタイルを崩している訳ですから、それだけでストレスです。加えて、劇的に良くならないわけですので、やっぱり対話ではダメだとして、いつもの「ガツンとした」スタイルに戻り、周りからも「あぁ、やっぱり、この人の本性はこうなんだな」と裏返ってしまいます。

 

ことの本質としては、組織や人を変えることは、相当重たくて時間のかかることだという認識を持った上で取り組む必要があると思います。なんというか、一撃ガツンと言ったところで、変わるなんて、重力が空に向けて働くくらいありえない。ですが、それが必要と言っている時点で少し問題を捉え損ねている印象を受けました。もう少し言うと、言っても聞いてくれない状態の底流に何があるのかについての洞察も不足しているでしょう。自分が信頼を勝ち得ていないのかもしれませんし、そもそも発言が違うと思われているのかもしれません。この手の発言が出てくるあたりで、この方にはもう少し揺らいでもらうことが必要なのかもしれませんね。