manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

経営経験

みなさん、こんにちは。

 

山口周さんのブログの「サントリーHDの社長人事に接して感じたこと」を読みました。記事そのものは少し古いですが、世の多くの企業に経営人材がなかなか育たない、後継者が育っていない状況が取り上げられていまして、興味深く拝読しました。

 

大手製造業で育った身としては、外部から経営人材を招き入れざるを得ない状況なのは非常に残念な気持ちとなる一方で、普通に育つと経営人材が育たないこともなんとなくわかるような気がします。それは何故なのかを少し考えてみたいと思います。

 

まず、個人の「仕事」についての考え方がどのように発展していくのか、から考えると、まずは与えられた役割をきちんとこなすことから始まり、管理職となり、何名かのチームを束ねていくようになります。いずれの段階でも、自分の見えている世界の中で、与えられた役割についてベストを尽くすことから始まりますね。

 

キャリアを発展させていく中で、部署異動があり、昇進があったりしますが、この「与えられた役割にベストを尽くす」概念は基本的には大きく変わらないような気がします。課長であれ、工場長であれ、事業部長であれ、本質的には同じでしょう。会社の中で「ある役割」が与えられ、それに必要なリソース(人・もの・金)をマネジメントして、与えられた目標を達成するために頑張ります。

 

一方で、経営となるとこの「役割」という概念が大きく変わると思います。特定の事業部門がうまく行こうが、会社全体が傾いては困ります。管理機能・スタフ機能も健全に動いていないと困ります。会社決算ができなかったり、給与が払われない、不正が起こる、なんてことは企業経営の中ではあるまじき事象です。ということで、何を言いたいのかというと、会社全体に気を配り、全体が大きくうまくいくような状態を作ることを考え、そうなるように周囲に働きかけなければなりません。

 

とたんにボヤっとした言い方になってしまいますが、この「感覚」がいわゆる大企業ではなかなか育ちにくく、自分たちの事業部を維持する、会社が滅びようが経理・人事で食べていける、なんて感覚の方が強い人たちがもしかするといるかもしれません。このような人たちと、会社の全体感を持ちながら向かい合うことも経営経験のひとつのような気もします。

 

全体感を持つことと、個別の役割分担を担うメンバーとのコミュニケーションの難しさの中で騙しだまし、よい方向に向かうよう働きかけていく経験は、会社が大きかろうが、小さかろうが同質のように感じています。私の持論なので、正しいかどうかはわかりませんが、これはそんなに簡単じゃぁ無いよ、ということなのです笑。社長や経営陣は何かの役職を兼務している場合ではありませんね。