manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

手法とうねり

みなさん、こんにちは。

 

会社の改善活動に対して、とある手法を標準と定め、トレーニングを展開し、大会で表彰しモチベートしていきます。毎年、いくつかのテーマの活動がなされ、これこれいくらの効果があったと積み重なることを狙うわけであります。トヨタカイゼンだったり、シックス・シグマだったり、少し古いですが、QC活動なんていうのもそうでしょう。

 

確かに、このような枠組みを会社組織に広げて、定着させていくことは大変な労力です。血管を、全身に張り巡らせ、そこに血を通わせることを成し遂げる経営手腕は大したものだと思います。

 

一方で、この手の活動が本当に成果を出していくには、かなりの難しさがあるように感じています。風土とのフィット感や従業員の質やレベルも影響するでしょう。この手の手法のコンサルタントのみなさんは買ってもらいたいので、この手の評価はさておき、売り込みにきます。まぁ、ビジネスですから、それは仕方がないですね。経営陣の本気度が大切ですよ、と一言添えて。

 

話を戻して、この手の手法の導入の目的に立ち返りましょう。例えば、目標がコスト削減効果が欲しい、だとすると、もっと有効な施策があるはずです。今どきですと、テレワークを導入してフロアを返せばそれだけで年間数千万円の効果が出ますね。

 

一方で、個々の業務に対して従業員の一人ひとりが改善活動を自主的・自律的に実行していく状態を作りたいなら、手法の導入そのものは正しいでしょう。ただ、逆にコスト削減効果を緻密に出そうとしても難しいことが予想されます。手段と目的が適合してませんね。

 

ここに少し矛盾がありまして、展開していく上では手法がある方がわかりやすい。共通的であり浸透度も目に見えてわかる。ですが、コスト削減などの経営のスコアに表現される効果は見えにくい。なんとなくお分かりいただけると思うのですが、この手の話はダイレクトに効くと言うよりは、真に浸透するためにはどう真面目に頑張っても数年かかります。浸透後、効果を発揮していくにはさらに数年。そして、デジタルに因果関係は示しにくい。経営者が変われば、なんでこんなに効果の出ないことを一生懸命にやっているのか、やらせているのか、と評価してしまう方が1人くらいいてもおかしくありません。

 

ですので、会社全体に対して活動力をアップしたいであれば、妙に手法を持ち込むよりは、個々に社長が現場を周り、みなさんと対話して盛り上げる。もしくは、部課長にモチベーションマネジメントのトレーニングを施していくことの方が意味があったりします。ボトムアップで改善の活動を展開し浸透させていくことに並行して、マネジメント側へもこの手の活動を大切にして、数字で評価して、あーでもない、こーでもないと言う前に、頑張ったね、ありがとう!という言葉で感謝の意をきちんと表現することが次につながる大切な一歩のように思いました。