manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

機能と総体

みなさん、こんにちは。

 

今日は機能と総体について考えてみたいと思います。以前の記事で、大企業は細かく役割分担して経営していることを取り上げました。属する人数も多く、取り扱うビジネスも大きく、取引の量も多いので、役割分担していくことがどうしても必要になります。以前、取り組んでいた業務改革の活動はこの機能ごとに最適な形を目指していくものでした。ここで言う機能は経理だったり、人事だったりそのような部門が担う業務群を指しています。

 

昨年度より、中小企業で過ごしてきているわけですが、当然ながら大企業ほど機能分担は進んでおらず、1人ひとりの守備範囲は非常に広区なっています。例えば、大企業で言えば、新卒採用、中途採用、退職担当と、さらに新卒採用の中でも、理系採用、文系採用、高卒採用、内定式と担当が分かれています。人材育成も技術分野、マネジメント分野と分かれています。当然ながらそんなにたくさんの人がいるわけではありませんので、中小企業はこの辺はごちゃっとしています。損益的に厳しい状態ですので、当然ながら、そんなに人は増やせません。荒削りながらも、限られた費用の中で、できることを工夫しています。

 

話を戻して、大企業の役割分担の中で、それぞれの機能ごとに最適化していくことが総体としての最適に繋がっていくのでしょうか、という問いかけです。役割分担は文字通り役割を分担しているわけですので、仕事を受け入れて、次の人に渡す関係にあります。何を言いたいのかというと、他の機能だったり、事業部門だったりと連携して業務をする必要があるということです。そうすると、仕事の受け渡しがどうしても発生してしまうので、受け渡しの中でのコストが発生してしまいます。

 

採用でいえば、事業部門が主導して採用した場合は、その採用に事業部門は責任を持つはずです。一方で、採用部門が採用した人材が事業部門に回された場合、いやいやこういう人じゃないんだけど、となった際に、どうしても受け入れたくない/自分の責任ではないという気持ちになってしまいます。そして、採用部門は自分たちの目線でよかれと思い、どんどん最適化していきます。多く人材を採用しなければならないKPIなんかが与えられてしまうとさらに違った方向に行く可能性があります。

 

会社が大きくなり、人員数が増え、扱う取引の規模が大きくなればなるほど、少人数で機能を回すことができなくなるので、役割分担しなければならなくなります。一方で役割分担すればするほど、各々で分担した役割で最適化しようとし、役割分担の間でさまざまなコストがかかります。役割分担が固定的になればなるほど、他の役割にいる方々の顔も見えなくなるので、協力関係を築くのが難しくなってしまいます。そういえば、経営企画部門にいた際に、経理が経営企画を通して、人事に意見を言ったり、情報システム部門が経営企画を通じて経理に要望する、なんてことがよくありましたね。

 

ということで、何を言いたいかというと、役割分担することはオペレーション上、とても大切なことでありますが、総体を誰かが統括していないとダメなのではないかということです。もしかしたら、経営企画はその役割だったのかもしれませんが、残念ながら私はそんな感じには振る舞えませんでした。権限構造をそのように組み上げるのは一定の規模を超えると難しくなるのかもしれませんが、何をよりどころに機能を構成していくのかを統括する役割を置いた上で、役割分担をしていくことが必要なのではないかと考えました。ということで、統括する人は幅広く企業経営のことを浅く広く知っているのが大切なのでしょう笑