manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

語らない社員

みなさん、こんにちは。

 

しつこいですが、今回は「語れない」「語る」に続いて、「語らない」社員がテーマです。とあるテーマについて、関係者でワークショップしています。3人で議論を重ねていくべきところに、メンバーのうちの1人は黙っています。明らかに意図的に。

 

ワークショップの主旨に賛同してなかったとしても、あんまりに「だんまり」がすぎます。うーん、困ったなぁと思いつつも、無理矢理話させることもできずに、無為にワークショップは終わってしまいました。残念極まりない。

 

この話を「語らなかった」彼/彼女が悪い、と済ませてしまうのは簡単です。発言を求めたのに、だんまり。皆が意見を言いやすい雰囲気を作っていたのに、だんまり。さめ、本当のところは、どうなんでしょうか。

 

その方ではありませんので、想像するしかありませんが、おそらく、彼にとって何らかの心理的安全が損なわれる何かがあったのではないかと思います。何か意見を言っても、誰かに否定されるのではないか。過去、重んじられてきたのに、今はそうではない。なので、発言をしたら、嫌な思いをするのではないか。

 

何を言いたいのかと言うと、その「語らない社員」の周りにいるメンバーが「語りやすい」環境を作れていないのではないかと言うことです。自分がリスペクトされていない、と感じた際に、どうせ採用されないとわかった上で発言できるのは、相当な強いハートの持ち主です。また、みなさん賢く専門家な集まりの中で、その道の素人が彼らに何らかの主張をするのも憚られるでしょう。オレたちの時間を無駄にしやがってと冷ややかな目を向けられながらも、KYに話し続けることも難しいでしょう。

 

そう、その彼は「自分の意見が求められていない」、もしくは「何か言っても、そんなんじゃダメだと指摘される」と感じていたので、「語らない社員」でいることで自分を守っていたのかもしれません。そして、そうだとすると、悪いのは「語らなかったアイツ」と言うよりはむしろ、その場の雰囲気や会話の流れでそのような気持ちにさせてしまった側にも課題はあったと言うことでしょう。

 

さて、ファシリテーターの皆さんが「アイスブレイク」として、発言をしやすくするために、いろいろな営みを準備してくれています。ですが、今回のようなシチュエーションを打破するほどの威力はないでしょう。本当の意味でアイスブレイクできるのは日頃からの関係性であり、信頼を積み重ねておくことが何より大切なのは言うまでもないでしょう。だとすると、そういうことを乗り越えずに、ワークショップという手法を選択したことが悪手だったと振り返っておきたいと思います。