manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

社員の品格

みなさん、こんにちは。

 

ひと昔前に「品格」という言葉が流行りましたね。「国家の品格」「女性の品格」「大人の品格」「親の品格」などなど、いろんな本がありますね。「品格」という言葉を辞書で引いてみると「その人やその物に感じられる気高さや上品さ」ということです。なるほど。

 

さて、急になんだ?と思われるでしょうが、この「品格」という言葉を私との初回の面談の際に出した社員が何名かいました。上司を指して「品格がない」ということです。指された上司も確かにまぁ、お上品とは言い難い。ただ、なんとなく指摘したいことは「品格」という言葉で表現できることとは違うかな、とぼんやりと感じて、その場は「ふーん、そうなのね」で終わりました。

 

最近になって、このことを思い出したのですが、振り返ってみると、指摘した社員の方もとても品格があるという感じではありません。ですが、本人は至って大真面目に自分の方の品格は適切に備わっていて、上司や他社の品格は劣っていると感じているように思います。ストレートに言うと、品格を大切にしているとは思えない振る舞いをしているということです。

 

例えば、ある人には別の人の悪口を言い、その悪口を言った人の前ではまた違う人の悪口を言ったりします。また、細かなことをネチネチと指摘したり、ある時には厳しく非難し、人を追い込むような発言をしたりします。周囲から見ると、よくそんなことを言うなぁと冷ややかな目で見ている人も少なからずいます。ですが、本人は至って大真面目です。

 

少し引いて考えてみると、他者からは品格のある行動・発言をとっていないが、自分は自分のことを品格があると認識しているという状況です。例えば、自分の思っていることを、正直に発言することが品格ある行為だと思っているとすると、思っていることは都度変わるわけですから、会話している相手や状況によって変わっても、それが品格のない行為ではないわけです。むしろ、徹底していて気高いと思っているかもしれません。一方で、周囲から見ると、ある人の前に出ればこう言い、違う人の前に立場ああ言う。一貫性がなく、八方美人で、自分を守ろう、人を惑わせているだけ、というところで、まぁ、逆立ちしても品格があるようには映りません。

 

つまり、自分の世界の中で品格がある行為・発言で完結しているとして、一方で、それが他者の目線でどう映るかに意識が及んでいない状況です。ただ、そのことを誰からも指摘されていないので、気づけないままであるため、このような状況となってしまっているわけです。この手のことは、第三者に指摘されない限りは、永遠に気づかない類のことでありますし、加えて、指摘をし、わかってもらうには相当な信頼関係がないと難しいし、それがあったとしても、面倒くさい。

 

放置されたまま、40歳、50歳、60歳をすぎると、もはやどうにもなりません。本人も周りも不幸なままです。及び腰にはなりますが、この手の事柄についても、対処していくことが必要です。さて、冒頭の品格の話に戻りまして、これは「品格」と言う言葉で表現し、深堀していく問題ではありませんね。