manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

正解を当てるのか、自らの考えか

みなさん、こんにちは。

 

我々の会社でも昇格面談のシーズンとなりました。個々の面談の詳細はこの場で触れることはできませんが、昨年度と今年度で何となく面談の雰囲気が変わったように感じました。「何となく」や「雰囲気」という言葉で済ませるのはもったいないので、少し考えてみたいと思います。

 

まず、昨年度の景色から振り返ると、全員が全員ではありませんが、テーマや内容が私にとってはボンヤリとしていて、言葉が踊っているように感じました。昨年度はコロナ禍の状況ではなかったので、対面での面談でして、表情や目線をよく観察していると、とある影響力のある幹部社員の方をチラチラと見て、答え合わせをしているような感じがします。なるほど。その幹部社員の意に沿う目指すテーマや活動に当てようとしています。加えていうと、活動は具体的ではなく、自分でやり抜く覚悟のようなものもあまり感じることができません。言葉が過ぎるかもしれませんが、当てた後は思考停止していたように思います。あ、もちろん、全員が全員そうだったというわけではありません。傾向として、そうだったということです。

 

一方、今回はというと、zoomでの面談設定でしたので、プレゼンテーションの後の質疑は画像で1対1で話しているような雰囲気で集中できたように思います。また、内容についても、深さは個々人に差はあるものの、みなさん、自分の頭でこうすれば会社が良くなるだろうと考えてくれたものを持ってきてくれたように思います。内容も多彩で、格好のよい横文字は少なく、地味ではありますが、中身はあったように感じました。

 

この現象は期待していたものではありませんが、影響力のある幹部社員がいなくなり、その彼の思いや思考を当てに行かなくなったことが根っこにあるように思います。人の習性として、答えがそこにあるなら、探りに行こうとするのは当然でしょう。どうしても喜んで欲しいプレゼントをあげたければ、事前によく聞いて、リサーチすればよいのと同じように、日頃、その主と会話している社員は当然有利です。そして、意を汲んだ内容を話せば合格するのであれば、チャレンジする社員としては、これほど簡単なことはありません。カンニングしているようなものでしょう。

 

ただ、人材育成の観点から見るとこれはとても意味のない行為のように思います。1ミリも成長していません。また、実力勝負ではなく、ずるいですね。そして、昇格試験を通じて、これまでよりも一段高い目線であったり、昇格するためにチャレンジすることを自分の頭で考えていないわけですので、合格しても、不合格でも、試験を通じて得られるものはないでしょう。というか、そもそも試験に意味があるのか?と感じる社員もいるでしょう。一方、その幹部社員を中心に統制していくのであれば、いわゆる踏み絵的な効果はあるのかもしれません。当てに来るのが普通でしょうと思っていたのかもしれません。

 

一方で、今回の候補者の皆さんは、いわゆる正解の無い中で、自ら考えて提案をしてくれました。受け入れてもらえなければ、その理由があるはずですし、自分で本気で考えたなら、ダメな理由にも納得するでしょう。ちゃんとコミュニケーショのしないといけませんね。また、それは不正解ということではなく、次のポジションを担うために、目線や覚悟、説明能力が不足していただけなので、トレーニングを通じて、再度チャレンジすることで、克服できることだと思います。各々の個々人が強くなっていくには、適切に階段を登ろうとしてくれていると感じました。

 

ということで、比較論ではありますが、昨年度に比べると、私にとっては大いに満足でありました。誤解のないように書きますが、昨年と今年のどちらがよい/悪い、ということを論じているのではなく、私の好みは今回だということです。ただ、欲をいうと、直属の上司はもっと働きかけて欲しかったなぁというところが心残りではあります。必ずしも悪いことではありませんが、部下は育てるものではなく、勝手に育ってくるものだろうという雰囲気がまだまだ漂っています。まだ今回チャレンジするみなさんは、時代的にもまだこれでも大丈夫なのかもしれません。ですが、時の経過や時代の変化とともに、あと数年のうちにそれでは回らなくなってくるような予感がしています。予感というよりは確信に近いものがあったりします。上司・部下、組織で人を育んでいくような会社とそうでない会社は必ず差が出てくると信じています。