manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

社長と働く

みなさん、こんにちは。

 

経営企画にいた頃の話ですが、四代の社長と仕事をする機会に恵まれました。当然ながら、四代となると数十年となりますし、いきなり社長になると言うよりは経営企画担当役員の時代にも仕事をすることもありました。ずーっと一緒に仕事をしているかと言うと、そう言うことではなく、何かのテーマの報告をしたり、とあるプロジェクトで報告をしたりとそんな感じです。

 

もちろん、周りには秘書室長だったり、経営企画部長だったりがいますので、アドバイスをもらったり、方向づけをしてもらったりします。また、コンサルティング会社や投資銀行のようなとても頭のよい方から、素敵な言葉で綺麗に纏まった資料に感動したこともありました。何を言いたいかと言うと、そんな立場で学ぶことは多かったわけです。

 

その中でも、一番の大きな気付きは、「そうか社長はこう考えるんだ」という洞察を得られるところでした。当然ながら、いつもそんなシーンばかりではなくて、「なんだ、この資料は!」と怒られたりもしますし、誰かがひどく怒られているのをその近くで聞いていて、まるで自分も一緒に怒られているような気分になる時もあります。というか、こういうことの方が多いですね笑。

 

「社長はこう考えるんだ」の内容の詳細を具体的に述べることはできませんが、とにかく見ている世界だったり、判断により与える影響、将来の姿に対してなどなど、とにかく「広い」。以前もこのブログで取り上げたように、経営企画は所詮、専門職です。とある、特殊技能はあれど、狭いです。「社業全般に渡る」総合的な判断を目の当たりにするたびに、「うーん、これは自分には想像できなかった」と感心していました。

 

さて、今では、会社役員ということで、経営企画部所属の頃のような専門職ではないわけですので、その頃よりは広く見れるようになった気がします。広いというのは、自分の担当している領域を包括して、かくあるべきではなかろうか、考えることができるようになったということです。ですが、会社全体を捉えて考えられているかどうかと問われると、見ている範囲の違いによる差がどうしても出てしまうように思います。確かにある領域を任されているわけですから、その領域は私の方が詳しいし、多分、適切な判断ができるでしょう。ですが、会社全体として総合的に正しい判断ができているかどうかと問えば、やはり十分にはできていないのかもしれません。

 

社長とはいえ、一人で会社全体のことを100%知ることはできないわけですから、役割分担が必要です。その役割分担が機能し、社長への報告が適時に適度になされて初めて、社長として十分な状態になれるようにも思います。社長が広く全体を捕らえて、適切な判断ができるためには、社長の周辺にいる機能を分担している役員や経営企画他の専門職が、その領域のプロではない社長がことの本質を捉えられるように適切に報告する必要があります。

 

社長にも色々なタイプがいるとは思いますが、私が見てきた四代の社長のうちの多くは、適時に適度な形で情報がインプットされて、判断できているような状態はあまりなかったような気がします。次から次に新たな課題、しかも大きい課題がやってきて、それに対し、決められた時間軸の中で決断を下してきたように思います。社長が優秀なのはもちろんなのですが、その周辺の皆さんもやはり優秀なんでしょう。

 

一方で、中小企業ともなれば、社長の周辺とはいえ、それほど優秀な方々で固めているわけではありません。ですから、扱っている問題の難しさは違えど、異なる質の難しさがありまして、難しいことには変わりがないように思いました。