manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

得意と不得意

みなさん、こんにちは。

 

新入社員の頃の話です。上司の課長から、「まなおうさんの得意なことは何ですか?」という質問を受け、それに対してこう答えたことを思い出しました。「難しいことを理解して、分かりやすく他者に伝えることです」と。

 

今となっては笑える話なのですが、当時の課長からは「難しいことを理解できてるの?」と問われ、新入社員の私はわからないことだらけだったので、「そうですね」と少し恥ずかしい思いをしたことを覚えています。

 

振り返ってみると、このことの本質は「難しいことを理解して」ではなく、「他者に分かりやすく話す」だったように思います。そして、そのポイントは、他者にとって分かる範囲で、分かるようなレベルで話す、ということになるでしょう。

 

例えば、小学校6年生に算数を教える時に、高校生のレベルで話をしても、まったく理解されないでしょう。小学校6年生がわかる範囲を知っていて、そのレベルで算数を教えにいくことが大切です。社会人になっても、同じような話がありまして、担当者クラスに対して、課長レベルの話をしたところで、この人は何を伝えたいの?いうことになってしまいます。

 

このレベルを合わせる技術が実は結構大切で、会社役員であろうが、課長であろうが、これが上下にできなければ、話を伝えたい相手から、「何言ってるんだ、こいつは」となってしまいます。冒頭、「他者に分かりやすく話す」ことを得意としている私でしたが、経営企画部門に異動し、社長と初めて会話したときはさすがにダメでしたし、役員としてこの会社に異動してきた際も似たような状況だったでしょう。得意なことなのに不得意になったということですね。

 

ということで、冒頭の話に戻りますが、新入社員の私が得意なこととして「難しいことを理解して、分かりやすく他者に伝えることです」と課長に話したことは2重の意味でダメだったということでしょう。難しいことも理解できていないし、分かりやすく他者に伝えることも、周りにいる人のことを理解していないので、十分にできていないということになります。不得意な状態です。

 

ついでに言うと、この「分かりやすく他者に伝える」能力の本質は、多くの種類の他者を知っているところだと思います。ですので、新人の頃は、学生以下としか触れあっていなかった私はそれほど高い能力を持っていたわけではありません。また、一つの場所に長らくいて、同じ性質の方々とのみ触れ合っていると衰えていきます。

 

違う環境に投じられても、周囲にいる人たちを観察し、どのようなレベルでどのようなことまでは理解してもらえるのかを理解し、そのレベルに合わせて語る能力が分かりやすく他者に伝える」能力の要であり、意図してきたことではありませんが、これまでの社会人経験の中で異動を繰り返すことで鍛えられてきたということなのだと思います。

 

異動のたびに、本当に大変な思いをするのですが、得意な能力を鍛えることができているのだと思い、前向きにとらえることにしたいと思います。ということで、段々何を言いたいのかよくわからなくなってきましたが、結局は得意なのだということなのでしょう笑