manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

どこまで深く

みなさん、こんにちは。

 

ひとつの仕事に長らく関わってきた方に特徴的な振る舞いとして、物事を深く知ろうとする行為があります。細かに事態を把握し、こうすべきというアドバイスや指示を的確に出す。かっこよいですね。

 

ただし、これは長らく同じ仕事に関わってきているが故にできることで、異動した後すぐでは当然できません。詳しく聞いて、適切なアドバイスが降って湧いてくればよいのですが、必ずしもそうとは限りません。詳しく聞かれた側は、有難い話が何も出て来なければ、根掘り葉掘り聞かれた、折角話をした、労力を払ったのに、無駄だったという不満だけが残ります。

 

ひとつの業務に10年も20年も取り組んできた場合、細かな箸の上げ下げひとつに対してもよい・悪いがわかります。あの上げ方はよくない。この下げ方はまずいと言った具合です。ただ、それは過去に照らし、自分が知っていることや成功したこと、失敗したことと比較した上でのコメントです。そこに照らしながら聞くことで、適切なアドバイスをしているわけですね。

 

実は、若い頃、私もこの手のことに憧れていまして、専門を掘り下げていったこともありました。ですが、そこまで深く降りることもできず、専門があるなんて、羨ましいなぁと思っていました。ですが、今になって思うと、それはむしろ逆で、そういうところで勝負しない状態になれていたことは幸せだったと思います。

 

専門外の領域や異動後も同じことをしてしまうのは、深く聞くこと、深く理解することに成功体験があり、知ることの果てにで何か思いつくかも、という考えがあるのかもしれません。知ることはよいことだと言うことです。学校でも習いそうですね。ということで、質問に質問を重ねていきますが、いくら聞こうがそんなの時間の無駄です。知識や経験で勝負をしようとしても、相手の方が上回っているわけですから、仮に思い付いたところでたいした案ではありません。

 

部下が求めているのは、共に謝ってもらえることだったり、説得してもらえる、立ち向かってもらえるなどの上司の協力です。時には、頑張ってますね!という労いやそれは大変だ!というような共感もあるでしょう。もしくは、論理的に正しさを検証したり、上司の目線で気になるところがないかの確認なのかもしれません。

 

ということであれば、何時間も何回も話を聞く必要はありません。上司としての求められる行動や発言を察知したり、論理的に検証することは、限られた情報でも十分にできます。部下の皆さんは大切で重要なことから上司に話してくれるはずで、話の後ろの方に出てくる話ほど枝葉末節となります。感情を聴き、限られた情報で論理を組み立てて、上司の行動をクイックに決める。みなさんも異動したり、業務が変わったりする際には、是非、そのように振る舞ってみてください。