manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

経営全体と担当領域と優先順位

みなさん、こんにちは。

 

昔、とある子会社の政策を検討していた頃の話です。わかりやすい構図でお伝えしますと、当時の社長は反対、副社長は賛成です。社長は自主性を重んずべき、副社長はグループ全体で位置づけるべきというポジションでした。どちらも正しいですね。実情はもっと複雑なのですが、ここでの本論ではありませんので、背景はこの程度にしておきましょう。

 

さて、検討が進み、いよいよGO/NO-GOの判断のタイミングです。何度説明を重ねようが、社長のポジションは変わりません。うーん、いよいよダメかなと思いつつも、副社長と相談しても、こちらもポジションは変わりません。プロジェクトメンバーの一人ですので、当然、私はやるべきだと思っていました。

 

どれだけ議論をしていても平行線です。時間はジリジリとデッドラインに向けて迫ってきます。ここで止めないともう止められませんよ、というところを平行線の状態のまま、通過していきます。確かに明確にNOとは言われていないが、明らかに社長は反対の意向です。副社長はよいから進めなさいのスタンス。いいのかなぁ、と思いながらも、もうここで止めないと止まらないというところまでやってきまして、それもなんとか通過しまして、GOとなりました。

 

何を言いたいのかというと、社長も副社長もポジションは変わらなかったということと、おふたりの合意の無い中でも、物事は進んでいったということです。まず、ポジションが変わらなかったというところは、経営哲学の違いから来ているところもありますので、そうやすやすとは変わらないでしょう。本当に変えるなら何年もかかる話ですね。お二人ともグループ経営全体を考えて、正しいと思うポジションをとっていたということでしょう。

 

次に、それでも進んでいった、というところですが、これは社長の立場であっても、転がっている岩や流れている水を止めるには相当の力をそこにかけないといけないということなのではないかと思います。当然ながら、社長なわけですが、あれもこれも考えないといけないことはありますし、上がって来る報告も多いのでしょう。このプロジェクトはそれなりに大きな意思決定ではありましたが、One of themでした。逆にいうと、副社長の方では、優先順位の高いものであったように感じます。優先順位が違ったということでしょうか。

 

さて、この話を今の立場で振り返ってみると味わい深いものがあります。グループ経営の最適体制を考えて、指示を出した副社長は素晴らしいですし、グループ経営の活力を下げないような指示を続けた社長も素晴らしいです。いずれもグループ経営の全体を考えて、どうあれば適切なのかを考えておられたということですね。当然ですが、上司の指示に従うということではありません。

 

私の話に戻すと、自分の担当領域や見ているプロジェクトについては、もちろん自分の頭で考えています。ただ、それ以外の領域も多くあるわけで、そこについても同じように考えていたかというと、そうではなかったように思います。ということで、まだまだ修行が足りませんね。