manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

呪いの上書き

みなさん、こんにちは。

 

よくあることなのですが、社内の部門間で揉め事があり、部長の1人がいつものように怒っています。そして、周りは白けています。その彼はお作法に従っていないだとか、厳しさが足りないだとかで、自分としては言いたくないが、敢えて厳しく指導しているとの青年の主張です。そして、みんなのために「やらねばならない」ということで、嫌われ役を買って出ているということなのですが、さて、ここでいうみんなとは誰で「やらなければならない」と求めているのはどんな成果を求めてのことなのかが、私にはよくわかりません。

 

本人はかなり真面目に主張していますので、いつもなら、「では、それは誰なのか」、そして、「どんな状態になればよかろうなのか」を問いかけていくアプローチになります。ですが、今回は「敢えて」それはやめようと思っています。その青年の主張者が面倒くさいということもありますが笑、もちろんそれだけではありません。その彼はちょっと妙に感じるくらい、まるで何かに呪われているくらいにお作法や厳しさにこだわっています。なので、こちらからの働きかけで与えられる影響は限定的でしょう。

 

その「呪い」は誰にかけられていて、どうすれば解けるのか、この分析が大切なのだと思います。まず、一つ目の誰にかけられたのかというと、それは昔の上司や同僚なのだと思います。彼は中途入社なのですが、溶け込むのが大変な会社だったようで、お作法だったり、厳しく指導される中で、存在感を高め、今のポジションを勝ち得ています。なので、自分が立ち向かってきて、乗り越えた、そして成功した、その経験に囚われています。要するに、同じように洗礼を受けるべきであると。私からするとどうかしてるなぁ、と思うのですが、呪われているので仕方がない。

 

ということで、この「呪い」を解かなければならないわけで、この「呪い」がかかったままだと何を言おうが、どんな分析をしようが、彼は変わらない。むしろ働きかけるほどに、「自分は正しい」と呪いが強固になってしまうでしょう。この呪いが解かれるには何が必要なのかと言うと、違う成功体験でこの「呪い」を上書きすることではないかと思います。今までの自分の持っている権力や影響力、知識が及ばない場所で、これまでの努力の延長線では解けない目標や課題に向き合い、よい上司に影響を受けて、違う立ち上がりかたをしていくことが理想でしょう。

 

ということで、上司は栄養になるだろう職場を探して、成長してほしいという期待を持って、異動を申し入れるわけですが、親の心子知らずで、こちらもうまくコミュニケーションしないと、そんな異動はお断りします!と嫌がられてしまいますね。ということで、書いてみて振り返ると、何もその部長に限った話ではなく、多かれ少なかれ呪われている方が結構いたようにも思います。この呪いを断ち切るのも上司の大切な仕事ですね。