manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

兼ねると任せる

みなさん、こんにちは。

 

先日、組織体制の議論をしていた際の出来事です。とにかく、部長のひとりがとても兼務の多い体制案が提案されてきました。曰く、漢気ということなのですが、一人二役どころではありません。一人五役も六役もこなそうとしています。いやいや、それはちょっと違うでしょと言うくらいに多いです。

 

いくつか論点がありまして、どのみなさんにも時間は平等に与えられていまして、その方が如何に優秀であっても、この事実は覆すことはできません。確かに、頭の回転数が早かったり知識が多かったり、経験豊富だったとしても、1.2倍から、多くても1.5倍のパフォーマンスが出れば相当できる方となります。くわえて、長い期間1.5倍のパフォーマンスを出し続けることは人間であればそれは不可能です。体調が、心が疲れ、コンディションが下がってきます。

 

ということで、この方に何が起こるかというと、こなしている幾つかの役目はどうしてもサボっていくことになります。部長の仕事の人材育成だったり、部下のモチベーションへの働きかけ、お客様とお交渉、多岐に渡ります。また、一つひとつの役目が充分にこなせなかったとしても、これだけ兼任していたら仕方ないよね、となってしまいます。

 

評価する側からすれば、そんなことは全く望んでいないのですが、当人はやる気に満ち溢れていて、むしろどちらかというとドヤ顔でこんなに貢献しようとしているのだから、それを評価してほしいという様子です。うーん。困りました。どちらかというと、多くの役目は、腹心となる何人かの心を許した友のような部下を指名し、彼を信じて任せているから、この体制で行かせてほしい、こうあって欲しい感じです。ですが、その彼にはそういう部下はおらず、皆に好かれているかというと、そういうファンはいない感じですので、「私が助けます!」という部下もいないようにも見えます。

 

若い会社なので、部下に任せて活躍させると、自分の地位が脅かされると見るのか、どちらかというと、大切なところは自分が抑えて、それほど大切でないところを、部下に担当させようとします。それで自分の価値が高くなる、会社にとって必要な人材であるということをアピールしているところがあるのかもしれません。確かに、課長であったり、担当者であれば、それでもよいのかもしれませんが、組織を率い、発展させていく責任を負っている方がこの姿勢では困ります。

 

その体制議論の場では、皆さん熱くなってしまっていたので、うまくフィードバックはできませんでしたが、どこか機会をみつけて、じっくりとお話をしないといけません。どうにかして転じないと、本人にとっても、会社にとってももったいなくてまずい状態が続いてしまいます。

 

そういえば、昔、社長がある役職を兼務したものの、全くうまくいかなかったことがあったことを思い出しました。忙しすぎて、社長以外の役職には身が入りませんよね。どうしても、そうなってしまいます。