manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

感情と理屈

みなさん、こんにちは。

 

かなり昔のことですが、ロジカルシンキングに凝った時代がありました。現場部門から経営企画部門へ異動し、みんな頭のよい(ように見える)人たちばかりで、存在感を出せず困っていたので飛びつきました。ロジックツリーにMECEに、帰納法演繹法、技はいろいろありますね。この辺りはスキルなので、学べばすぐにできるようになり、それなりに役に立った記憶はあります。経営企画部門で働くには大いに役に立ったと思います。理屈が通れば、それが正しいよね、やらないのが変だよね。と言う流れが生まれます。

 

さて、この会社に来て、親会社と人材の質は違えど、論理的に説明すれば、きっとわかってくれるはず。と、いつもよりも少しだけ丁寧に、わかりやすく解いてゆきました。ところが、妙に手応えありません。制度が2つあることの無駄や業務プロセスが2通りあること、どうすればそれが解決できるのか、もうあとは言った通りにやればできるよね。というくらい噛み砕いて話をし、あとはもう待つだけだよねと観察していました。

 

ところが、何か言われましたっけ、というくらいのスルーっぷりで、かなり驚くほどのレベルでやる気がないように見えます。えー。何これ。会社ってこれでいいの?と驚きながらも、私のスタイルは変えていませんでした。ただ、最近になって、いくつかの出来事で気付きました。あれ、もしかして、このアプローチが正しくないのかもしれないと。

 

よ〜く観察してみると、みなさん、仕事はしています。当たり前ですね。判断もしているように見えます。ただ、それが理屈ではないことだけはわかります。では、なんなのか。私に足りなかったことも見えてきました。彼ら/彼女たちのモチベーションの源泉はなんなのか。私にはとても不思議だったのですが、それは「誰々に気に入られたい」とか、「サークルの中の一員と認められたい」とか、その手の感情に左右されていることがだんだんわかってきました。

 

私がいくら理を解いても響きませんが、サークルの中心にいる誰かがそうだよねと言えば、群衆が動きます。うわー、なんだこれ。気持ち悪いぞ。と思いつつ、私のアプローチが悪かったんだとようやく気づきました。親会社から来た使命感だったり、方針だったり、その手のことは、みなさんには関係ありません。むしろ、毒でしょう。それよりも、仲間なのかどうか。そして、自分たちの気持ち・感情をわかってくれるかの方が100倍大切なのです。

 

とはいえ、こちらも薫陶を受けています。ちゃんとやってこいよと。そう、そんなことをのっけから振りかざしても全く意味はなくて、どうせダメなんだから、最初の半年は、仲間にしてもらうための行動に振ってもよかったのではないか。後の祭りですが、そうだったのかもしれません。とはいえ、過ぎた時は巻き戻せません。とはいえ、これ迄にも遊んでいたわけではないので、キズナはあります。あるはずです。ということで、今後、より強固にそして輪を広げるためにも、感情側のセンサーを立てて、上司と部下だけではなく、仲間になり、本来成すべきことを実行していく関係を作っていくかにチャレンジしてしてみようと思いました。

 

経営企画時代の話に戻りますが、ロジックで解いて、合意を得た後の話です。実際にやるまでみんな頑張ったか、私もやるまで苦労したかというと、それはそうでもなかったので、理屈側だけでも何も立たないということでしょうか。