manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

とめて、蹴る②

みなさん、こんにちは。

 

川崎フロンターレ中村憲剛選手の「とめて、蹴る」がネットで公開されています。

 

 

トラップでボールを止めて、対面方向に蹴り返している動画です。止めたボールの位置がワンステップでボールが蹴れる所にありますね。すばらしい。

 

この技術のよいところは、顔が上がることだと思っています。昔、ドリブルが得意で、顔がまったく上がらずに突っ込んでくる選手と対峙したことがあります。こんな相手ほど守るのに楽な相手はありませんでした。プレイの選択肢が狭いからです。ボール保持者の顔があがり、パスの受け手とアイコンタクトで繋がってくるチームはよいチームだと思います。守るのも難しい。

 

「とめて、蹴る」を習った際に、ボールと周りを同時に見れる位置にボールを置くことが大切なのだと教わりました。これは私の腑に落ちました。とてもよい指導ですね笑

 

さて、何故またこの話を取り上げたかというと、基本を学ぶ際にはその意味合いをきちんと理解することが大切だと思ったからです。

 

基本の先にあることを習得する必要があります。「とめて、蹴る」も、バスケのドリブルもバレーのハンドオーバーパス、野球のキャッチボールもすべて同じだと思います。

 

個々の技術を磨くことは、そのことに没頭できますし、楽しいことだと思います。ただ、それが試合になると有効に使えないこともあるでしょうし、基本だけだと強い相手に立ち向かえないこともあるでしょう。

 

さて、仕事に話を移します。ファシリテーションやプレゼンテーション、ロジカルシンキングなどなど、ビジネス上で必要なスキルはたくさんあります。資格にしても同じですね。この各々のスキルを磨くことも大切ですが、その先にあることはなんなのでしょうか。

 

DeNAの南場さんの「不恰好経営」の中にこんなシーンが取り上げられています。元コンサルタントのふたりが3つの選択について議論しています。AとBはコストとリターンが似ていて、CはAとBに比べると劣後します。このAとBのどちらが優れているかを延々と議論しているというシーンです。施策は選択した後、実行局面でいろいろなことが起こるので、どちらを選ぶかよりも、選んだあと、如何にして成功するよう力を注ぐかが大切だと解説していました。

 

どちらが正しいかを長く論じ合い、どうやらこちらがよさそうだ、と決まります。ただ、結論を出した後に、あとは皆さんでよろしく頑張ってくださいとなることをよく見かけます。ビジネス上はスキルの先にある実行が大切で、実行の最初の一歩目をスムーズにするためのスキルであり、その一歩目をどちらに踏み出すかのスキルを延々と磨いたところで、経営の実行力が上がるかというとそうではないでしょう。

 

実行上は、判断を早くすること、決めたことは徹底的に実行すること、多くの人を束ねてひとつの方向に動かすこと、こういう力の方が大切になるのだと思います。