manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

ヨコの糸

みなさん、こんにちは。

 

階層別の研修に同席しながら、ヨコの糸について考えました。上司・部下のタテではなく、他部門のどなたかとのヨコのコミュニケーションです。階層別研修なので、普段話すことのない同じグレードの方が会話しています。普段と異なる光景です。これが、普段になれば、会社も変わると感じました。ただ、実際は難しいんだろうなぁと思います。

 

タテの糸は、売上/利益を上げたり、機能を果たすためにどうしても必要なので、頻度が高く、密度が濃くなります。ミッション遂行に向けては、意味のある状態になっているのだと思います。

 

これに対して、ヨコの糸は無くても、日々の生活では困りません。困りませんが、今の立場では、ヨコの糸はあった方が間違いなくよいと思います。ですが、一方で、当事者は積極的にコミュニケーションを取ろうとはしません。経企部門にいた際は、それが仕事なので、ヨコに動いていましたが、確かにそれが仕事でなければ、やらなかったかもしれません。というか、やらなかったですね。面倒なことではありましたが、部門を越えて会話することで、各々の組織の考え方、譲れない哲学、底に流れてる風土を感じることができました。

 

昔、サポートしていた社長がおっしゃられていました。「各部門が単独で仕事が完結できないように『わざと』しているんだ」と。うーん。なんでだろ?と、当時は思っていました。意思決定が遅れ、顧客対応のスピードが下がる。ネガティブなことしか思いつきません。実際、相当なもめごとがありました。

 

ですが、今ならなんとなくわかります。タテの業務にヨコの糸を必須にすることで、各部門が会社全体の最適を意識し、対話し、行動するよう成長していくことを期待していたのだと思います。ただ、現実はそうではありませんでした。双方が自らの主張をし、相互の力関係の中で無理に物事が決まることが多く、私の目線からはうまくいったようには感じませんでした。

 

 未来から過去を「ふりかえる」ので、フェアじゃないのですが、当時、社長が考えていたことが、周囲にはあまり広がっていなかったような気がします。広がっていなかった理由は、ある意味でははっきりしていて、あまり周知もされておらず、また、教育もされていませんでした。全社最適を実現するために、組織の個別最適を乗り越える生々しいところで、きれいごとを克服する泥臭いところが不足していました。

 

昔話ばかりで恐縮ですが、京セラさんの「アメーバ 経営」の話を外部のコンサルタントにお伺いしました。部門・課・グループ毎に売上/利益目標をセットして、目標を目指して、ミリミリ頑張るわけですが、参加者の一人が質問しました。「個別最適をどう克服するのでしょうか?」と。おー、ありそうな質問だなぁ、と思っていたところ、そのコンサルタントの方が、すごい剣幕で怒りました。「だから、ダメなんだ!」

 

これも、恥ずかしながら、当時は全く理解できませんでした。こういう質問が出てしまう風土となっている限りは、「アメーバ経営」の枠組みを入れたところで、無駄に終わったことでしょう。ハードルが高くて、導入できませんでしたが。

 

そういえば、今の会社は各部門で仕事が完結しますね。スタッフ部門以外は。ということで、一連の研修が終わった後には、スタッフ部門の仕事の仕方が変わっていると有難いなぁと期待しています。折に触れ、少しずつが大切だと思っています。