manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

論破と自分の問題

みなさん、こんにちは。

 

若かりし頃の話です。会議中に居眠りする部下がいまして、色々な観点から説得に頑張ったのですが、全く効果がありません。論理的にそれがいかに不適切な行為かをいくら話せど、行動が変わる気配が1ミリも感じられません。仕方ないな、と諦めてしまったことは、若気のいたりで経験不足でありました。振り返りますと、こちらが説き伏せようとすればするほど、部下の方の熱が下がってくる。そんな感じでした。

 

会議中に居眠りしているわけですから、論じるまでもなく会社人としては不適切な行為です。論じることで、さらに完璧にダメ出ししているわけですから、言われなくったってわかってますよ、となるでしょう。ですが、当時の私としては、自分の不適切さに気付いてないから、居眠りするんでしょ。認識を深めなさい、さすれば、その行為は修正されるに違いない、と思っていたわけであります。

 

さて、一段俯瞰してこの話を眺めますと、部下が居眠りをしているのは私の問題でした。上司の私も、加えると部門としても体面が悪い。それでどうしてもやめさせたい。ですから、私は一生懸命に居眠りをやめさせようと働きかけています。一方で、部下の側からすれば、言われれば、言われるほどに「わかってますよ」となり、加えて、上司の私がどうにかしてくれる、さらに言うと、どうにかしようとしてくれるから自分は自然体でよかろうともなるかもしれません。何かといえば、上司の私が自分の問題として、それを解決しようと部下を論破すればするほど、逆に回転していくわけです。

 

今にして思えば、この会議中に居眠りをする行為を部下が自分の問題として捉えていないことが一番の課題だったのでしょう。上司の私はそこに力を注ぐべきであったと思います。会議中に居眠りしてしまうのは、会議が面白くないから、と言うこともあります。当時の部下の彼はその会議を面白いと感じるような周辺情報が不足したり、会議の結果をアウトプットする責任を負っていなかったこともあります。議事録を書くという役目はあったかもしれませんが、適当に書いたところで、大きく怒られたり、責任を取らされることもなかったでしょう。そんな会議に出させた上司が悪かったと言うことでしょう。

 

実はこのように努力が掛け違うことが往々にして人と人との関係性の中では起こり得ます。上司は論理的な力を磨き、説得を試みるわけですが、やればやるほど逆効果。どちらかといえば、大きく任せてしまい、その行為の結果で自分が損をしたり、うまくできたなら評価されるような状況を作り、自分の問題として捉えてもらうような努力をすべきだった。ただ、ここがなかなかつながらない。これは部下をひとりの成熟したビジネスパートナーとして捉えていれば、すぐにわかるような話です。ただ、この相互に尊敬・尊重し、認め合うことが上司部下の関係においては難しいと言うことでしょう。