manaou's note

後で読みたいと思うメモをノートに

概念化と引き出し

みなさん、こんにちは。

 

コーチングの話題です。信頼関係が構築できて、コーチングを受け入れる準備が整ったとします。1on1で話しましょうと時間を取りました。さぁ、みなさん、どんな会話から始めますでしょうか。コミュニケーションの続きで双方の能力が大切です。コーチングを受ける側の話す力も大切でして、慣れてないメンバーはこんな感じで会話が始まります。問いかけは、朝起きてから会社にどんな感じで来ましたか?です。

 

今日、朝、目を覚まして、洗面台に行って、顔を洗い、歯を磨き、スーツに着替え、靴を履いて、家を出ました。駅まで徒歩で、満員電車に乗って、2回乗り換えて、会社の最寄駅について、駅まで10分歩いてオフィスビルに着きました。

 

さて、この話を聞いてどう思いますでしょうか。昨年、常務で今年引退した役員の方が、この手の報告を指して「絵日記報告」と呼んでいました。素晴らしい概念化ですね。それはさておき、報告している当人からすると至って真面目です。ですが、この手の話を聞いたところで、コーチングも何もありません。

 

この方が何を感じ、考えたのかが大切なので、私ならこう問いかけます。「どんな気持ちでした?」と。例えば、二日酔いで目覚めが最悪で、満員電車で気持ち悪くなって、途中の駅で降りたり、駅から10分歩く間に辛くて途中で休憩したかもしれません。もしくは、大切なプレゼンがあるので、あまり寝れず、目覚めは悪いですが、冷たい水で顔を洗って、パリッとしたシャツを着て、イメトレしながら会社に来たとすれば、次にこちらが話すこともいろいろあります。

 

二日酔いするくらいストレスがあったの?それはどうしてですか?や、その大切はプレゼンにはどんな気持ちで向かったの?と言う具合に会話が深まっていきます。ストレスの原因が特定されて、それにどう立ち向かうのがよかろうなのか、プレゼンに向かう心構えについて話し合ったりと実りある会話が成立します。

 

社会人になって、そうなの??と思うのですが、意図せず「絵日記報告」となってしまう方が実は結構います。昔の部下で、社会人ラグビーで日本一になった際の主将の方に、日本一になった時のことを話して欲しいと言うと、「みんなで一生懸命に練習した」と言うようなことを本当に真面目な顔をして話したりします。ですが、これは訓練をしていなければ、本当にそうなってしまうわけです。どんな物語がそこにあるのか、ラグビーチームメンバーの気持ちの動きや苦労して工夫したことを心の引き出しに整理をしておかなければ、いざ話そうとしても何の言葉も出てきません。

 

例えば、今回の話も「絵日記報告」と概念化してくれたことを記憶の引き出しに整理をしておきます。あぁ、ここだ、と思うときに思い出すのは「絵日記報告」と言うキーワードです。このキーワードを思い出せば、いついかなる時でも(もちろん、偉い方と話す際には緊張しますが笑)この話を引き出すことができるわけです。

 

さて、話を戻して、お話できない部下に巡りあったみなさんにお勧めしたいことは、この言語化・概念化での振り返りを訓練することです。特に最初が大切です。よい概念化・言語化ができれば、次回以降も振り返ることで、記憶の引き出しから呼び起こせます。そして、一緒に考えたことは何より忘れない。更に、本人がこの言語化・概念化からの記憶の引き出しの効果を感じることができれば最高ですね。概念化と言語化のコツはひとことで言うとどういうことなのと問いかけてみることです。